商社で活躍する人に備わる3つの能力①
どうも、ドチです。
現役で総合商社に勤務する者として、これまでの経験から実感する「商社で活躍する人に備わっている能力」の話をしたいと思います。
結論から言いますと、
- 可愛さ
- マメさ
- 演技力
だと思っています。就職先として商社を希望する学生さんからすれば、
(え・・・何か想像するのと違う・・・)
なんて思われたかもしれません。
確かに、前提として好奇心があることや、文章力が高い等、上記では網羅出来ていない必要な要素もありますが、就活本や他のWebページ等でも記載ある様なありふれた内容ですし、他業種でも漏れなく必要な能力でしょうからここでは割愛し、現役で働く者としてのリアルな切り口から、具体的な事例を挙げて以下に解説します。
今日は「1. 可愛さ」についてです。
あまりに単純且つ稚拙な表現で拍子抜けするかもしれませんが、あえて言うならこの要素が一番大事です。
主な商社の商売形態は貿易や事業投資であり、究極的に言えば、どちらも「安く買って価値を付けて高く売る」ことで収益を上げます。
つまり、始まりは「誰か」から買うことであったり、売って欲しい立場の「誰か」を見つけることが必要となります。相手あっての仕事です。
従い、全ての根源はまず「あの人と話したい/あの人にだったら話をしてあげても良い」と思われることが必須となります。その為にはその相手から好かれる必要があり、必然的に「可愛いヤツ(「容姿が!」という訳ではありません)」が競争優位に立つ訳です。
そして、活躍する人材は、漏れ無く可愛いです。
例えば、これは貿易商売に携わる社内のA先輩の話です。
欧州で開催されたある国際会議に韓国のメーカーB社の営業部長が出席するとのことで、そのメーカーと商売を創りたいA先輩は欧州へ飛びました。
その様な国際会議では、各国よりその分野に関連するメーカーや需要者が一様に参加する為、その機会を利用し、各社が開催期間中の1週間程、ホテルに缶詰で1社でも多くの取引先/新しい客と商談をするというのが慣例となってます。
A先輩は、B社と3-4日目に商談をセットし、面談に臨みました。面談の最後に、「これ、、よろしければ、、」として、辛ラーメンを渡しました。
韓国人のカップラーメン好き(一人当たりのインスタントラーメン消費量は世界一!)を把握し、ホテルのレストランでの食事に飽きた滞在期間中盤に、食べ慣れた辛ラーメンをそっと差し入れた訳です。
これをきっかけとしてその場で!という訳ではなかったと思いますが、A先輩は結局新しい売り手としてこのB社と商売を創りました。
もちろん、辛ラーメンが全てではなかったと思いますが、営業部長からしたら、
(こいつ、かわええやん・・)
となったことは想像に難くないですね。
お読みになっている方の中には、
(商社ってそんなことしてんの・・・。もっとキレッキレな内容の提案で契約取ってこいよ・・・。)
と思われる方もいると思います。泥くっさ!と。
実際、提案内容がどうだったかは私には分かりませんが、いずれにせよ、たかたが200円程度のカップラーメンを数億円単位の商売に繋げたというのは面白いと思いますし、商売なんて所詮人と人の間で成り立つものですから、寧ろ、こういうことこそ大事でしょ!って思わせてくれるエピソードかと(営業マンの読者の中には「わかる〜!」と思ってくれてる方もいると思います)。
この様に新しく商売を創るエピソード以外にも、日々の取引の実務でミスをしてしまった際、
(まあAさんなら仕方ないわ、許したる)
と思われる様、普段から気遣いの積み重ねをしているのが可愛くいる為の条件です。
明日以降、2. マメさ、3. 演技力について解説していきます!