メタノールビジネス①概論編
どうも、ドチです🐱
シリーズで解説する、総合商社の手がける代表的なビジネス紹介記事です。
今回は、第四回「メタノールビジネス」の①概論編について説明します✨
メタノールって何!?アルコール飲料とかに使われるの??🍷
いきなり言われても想像もつかないでしょうが、メタノールは全世界で年間約1億トンも消費される、化学品の分野では代表的な商品であり、三井物産や三菱商事を始めとする商社が古くから取扱っている歴史ある商品です。
本日はそんなメタノールビジネスについて解説します。
目次
- メタノールビジネスとは?
- 商社の役割・取組みは?
- 将来の業界の動きは?
1. メタノールビジネスとは?
そもそもメタノールって何?
合成樹脂(→プラスチック)を始めとし、接着剤、農薬、塗料、合成繊維の原料等幅広い用途で使われる、様々な化学品の基礎原料です(常温常圧下で液体)。別名、メチルアルコール。主に天然ガスや石炭から製造されます(拒否反応があると思いますので、化学式等は省略します💦)
よく勘違いされますが、飲料には使われません。世界各地で密造酒が流通し、大量に中毒者や死者が出た様な事件がある場合、それは安価なメタノールを混ぜたものであったことがほとんどですね😱
主にどこで作られ、どこで需要があるの?
多くは天然ガス由来ということもあり、生産地は主に「天然ガスが採れる国/地域」となます。したがい、中東(サウジ🇸🇦、イラン🇮🇷等)やロシア🇷🇺だったりします。
主な需要地は、ご想像の通り、プラスチックや燃料需要の大きい中国🇨🇳を始めとするアジアです。
どうやって運ぶ?
常温常圧で液体ですので、海上貿易ではタンカーで輸送されます⛴2000年代後半から2010年代の中国の需要急騰と、それを受けて続々と立ち上がった中東での天然ガス/メタノール生産プロジェクトにより、中東⇄中国の航路でたくさんのタンカーが必要になったこともあり、大量の船が日本や韓国を始めとする造船所で造られました👷♂️
ちなみに、日本の海運会社、「飯野海運」とかがこの中東⇄中国の航路に強く、何と海運会社にも関わらず、後述するサウジでのメタノール製造プロジェクト(=IMCプロジェクト)に出資したりしてます💰
2. 商社の役割・取組みは?
元々の商社の主な仕事は、海外メーカーからの買い付け→輸送、というトレーディングビジネスがメインで、国内の化学メーカー向けへの安定供給を担うことが主でしたが、需要が伸びゆくその他のアジア域を中心とした国々への販路拡大であったり、(シリーズ別記事で紹介した金属資源や穀物同様、)やはり上流にまで手を伸ばし、天然ガス生産地域で地元の政府企業との合弁でメタノール製造プロジェクトに出資をし始めました。
上流での各商社の取組みとして、
- 三井物産、三菱商事@サウジアラビア🇸🇦(International Methanol Company, 2004年-)
- 伊藤忠商事@ブルネイ🇧🇳(Brunei Methanol Company, 2010年-)
- 三井物産@アメリカ🇺🇸(Fairway Methanol, 2015年-)
- 三菱商事@トリニダード・トバゴ🇹🇹(Caribbean Gas Chemical, 2020年-?)
等が挙げられます。
ブルネイ(東南アジア)やトリニダード・トバゴ(中米カリブ海域)なんて、旅行では絶対に行かない様な国ですよね!?産業も限定的な国でしょうから、まさに国の発展に寄与するプロジェクトですね✨(噂レベルですが、、三菱商事の化学品の役員 or メタノールの部長??がトリニダード・トバゴ出張時、国賓級の待遇を受ける、なんて話も聞いたことがあります🕺✨当初のプレスリリースでは、工事完了を2018年に予定してた様ですから、結構遅れてるみたいですが・・)。
また、三井物産の🇺🇸でのFairway案件は、その他のプロジェクトが、主にアジア向け需要への販売を意図して推進されたものであることと異なり、アメリカ国内での販売を意図してます。これは、シェール革命で原料となる天然ガスが価格競争力を持ち、安定的に入手可能となる見通しを立て、パートナー企業(セラニーズ社)の既存インフラを活用し優位に立てると睨んで推進したものでしょう✨
3. 将来の業界の動きは?
2015年に🇫🇷のパリで開催されたCOP21で、2020年以降の温室効果ガス排出削減等のための国際的なフレームワーク、パリ協定が採択されました。具体的な削減目標は国ごとに異なり、5年ごとに見直されることになっている様です。
こうした背景から、各国が各々削減に向けた取り組みを進めており、東南アジア一人口が多いインドネシア🇮🇩では、化石燃料への依存度を減らすことを義務化することを決めています。
これを受け、多くの企業は使用するディーゼル燃料(軽油)やガソリンのうちの一部を、バイオディーゼルやバイオエタノールに置き換える必要があります。バイオディーゼル製造にはメタノールが必要となる為、世界的に環境意識が高まる中、今後も需要は堅調に拡大していくこととなるはずです。
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いかがでしたでしょうか❓
次回は、メタノールビジネスに携わる社員が、具体的にどういうスケジュールでどういう仕事をしているのかにフォーカスしてお話します。
何か質問がある方はお問い合わせフォームor Twitter🐦よりご連絡を❗️
最後に。
今日は暗号資産全般だだ下がりの一日でしたな・・・ガッカリ⤵️🐱💦