【総合商社】情報収集のプロ!商社マンの有益な情報の仕入方法①

仕事内容 総合商社

どうも、ドチです🐱

皆様、メリークリスマス🎄✨

本日で連続更新156記事目。今年の7月22日より継続して毎日更新してまいりました。クリスマスだからと言って途切れさせてはブランド(!?💦)は作れないと思い、今夜もキーボードを叩きます⌨️⚡️

さて、今回は「商社マンの有益な情報の仕入方法」と題して記事を書いてみました✍️

総合商社にとって情報は命です。戦前、今から70年以上も前、世界中に数十箇所も拠点を持つ唯一の業種であり、幅広く商材を貿易で取り扱っていたことから、国家の情報源として重宝されたと聞きます👂

また、以下の記事では、現代においても総合商社の仕入れる情報に価値があることを示唆しています。

「総合商社はまるで『情報局』だという。三井物産の巨大な情報ネットワークは、日本社会でも『CIAより上』だと見なされている」

https://courrier.jp/news/archives/99562/

テヘッ🥴

さて、それが本当なら、そんな総合商社で働く商社マンは、実際にどの様に有益な情報を仕入れているのでしょうか?

本記事および次回の続編記事では、業界の現役社員としてその辺のリアルな事情を2回にわたって解説していきます🐱✨

早速見ていきましょう🚀(記事の長さ:普通(3分程度))

目次

  1. 定期購読の業界誌
  2. Web
  3. 誰でもアクセス出来る情報の取り扱い方

1. 定期購読の業界誌

まずは業界誌ですね📄冒頭に述べた通り、総合商社ではあらゆる分野の商品を取り扱っていますが、大体そのほとんどの担当商品には専門の情報機関が存在します。もちろん、日本の機関とは限りません🙅‍♂️

有名なところで言えば、Argus Media(🇬🇧)とかでしょうかね☝️

Argusは、グローバルなコモディティ商品(石油・ガス、電力、金属資源、石油化学、肥料等)の市況価格や各プレーヤー(*)の動き、新規プロジェクト等に関する諸情報をまとめて記載した定期レポートを発行してます。

(*)プレーヤー = 生産者(メーカー・権益保有者)、供給者(メーカー・商社/トレーダー)、需要家(商社/トレーダー・メーカー)等を指す。

こういった情報機関からの定期レポートを購読し、今後、どの国/地域で供給過多(→安値。買い場!)となるか、需要過多(→高値。売り場!)となるか等、情報収集→分析し、予想することで商品戦略を立てていくこととなります。

ただ、定期購読するのみでは他のプレーヤーたちと差が付かないですよね?みんな同じものを読んでるわけですから。

ここからが総合商社の商社マンの腕の見せ所です💪我々は、既存の取引の情報や、海外ネットワークを駆使した既存取引先から得る情報を、コントロールしながら交換・提供することで、上手〜く情報機関と付き合っていくのです🤝

つまり、自分たちが実際に契約した情報/自分たちで仕入れた情報を取捨選択し、自分たちが意図する方向に誘導出来る様に、情報機関にいち早く生の情報をタレ込み、彼らにとっての上顧客となっていきます。

例えば、

🐱📞「ブラジルのA社と契約した。君んトコのレポートと比較してぶっちゃけ高値だ。南米で需給が引き締まってきてるんじゃない?」

とその情報誌の記者にインプットすることで、記者にその通り書かせる様に仕向けます✍️2日後に発行されたレポートにその旨記載されていること確認し、そのレポートを持参してメーカーに行きます。

🐱「南米での需要が上がってきてる様です。どうです?1ロットブラジル向けに売ってみません?」

こんな感じで、そのレポートをダシに次の商権を狙いにいくわけです。そうやって契約を決めては情報タレコミを続けてると、相手も人間ですので、信頼ベースで他社の情報を教えてくれる様になります。彼らも、他機関より秀でた正確な情報を早く得ることで顧客の信頼を掴みたいと思ってるので、win-winとなりますね。

実際、私が1番上手く付き合えてた記者さん(🇬🇧)は、たまに来日する際には、関係者との全ての面談を終えた後、最後に立ち寄ってもらうのがお決まりでしたね😏✨

2. Web

現代は、ある程度何でもWeb上で知れる世の中ですよね。これは、ハッキリ言って商社のビジネスでも同じです。

読者の中で、ご存知の方も多くいらっしゃるかとは思いますが、かつて、「商社冬の時代」という言葉がありました。オンライン&グローバル化が急速に進んだことで、供給者と需要家の間に仲介として間に入る商社が不要になるのでは?という議論でした。

これをそのまま鵜呑みにして受け取れば、総合商社は不要となっていったでしょう。

でも実際今も生き残っている。供給者にも需要家にも平等で無料で同じタイミングで手に入る情報なのに?

そんな状況でも総合商社が有益な情報収集能力が高いと言える背景は、主に以下の2つであると私は考えてます。

  1. 海外ネットワーク(支店・事務所に限らず、顧客資産等の取引先や政府機関とのパイプ)を駆使した既出情報の深掘りが可能。
  2. 既出情報を、自分たちの担当商品/担当プロジェクトにどう影響するか、に結び付ける「想像力」の鍛錬が、他のプレーヤーと比較して高い。

以下に、上記2.の具体例を述べましょう。

例えば、以前、私が物流業務を担当し、日本から輸出し中国向けに販売するとある商品を扱っていた際、「北朝鮮が放った中距離弾道ミサイルが日本海に落ちた」というニュースがありました(←その後、頻繁に続いたのですが、、初期の頃の話です)。

多くの人が、「ふ〜ん」で終わる話ですよね。まさか外交問題が自身の商売に関係あると思う方はそんなにいないと思います。

そんな中、「全てのニュースが自身の担当商売に関係すると思って考え抜け」と先輩に言われていた私は、この様な仮説を立てました。

日本海にミサイル落ちる🚀
→航行する貨物船の往来に制限(政府or船会社自社判断)がかかる🙅‍♀️
→日本海での貨物船が減りチャーター費の相場が急騰する💹
→メーカーの日本海沿いの工場で生産される商品は、輸出よりも利益が見込める国内に流れ始める🇨🇳→🇯🇵
→中国で商品の需要がひっ迫する👀💦
→中国の顧客困る😣 

結論、この仮説は当たりました🎉同じ商品を他の国のメーカーから引っ張ってくることが出来、新規商売を創れたのです。

もちろん、仮説が毎度毎度当たるわけではありません。寧ろ、当たらないことの方が多いです。

ただ、この様な「何でもなさげ」なニュースを、無理くり担当商売と関連付けストーリーを描くことで、新たな商機を見込めることもあるわけですね。

10回に1回でも、それが当たればこうしてメーカーや顧客から感謝される(=必要とされる)ことになるわけです。

3. 誰でもアクセス出来る情報の取り扱い方

さて、ここまで2つの情報ソースをご紹介しましたが、、言ってみれば、これらは誰でも入手可能なソースですよね(業界誌だって、お金を払えば誰でも定期購読出来ちゃうわけですから🖐)。

ここまで読んで頂いた方には理解頂けると思いますが、実は、記事のタイトルの様に「有益な情報の仕入方法」というのは、これらの情報ソースでは当てはまらないんですね。

どちらかと言えば、「仕入れた情報を有益にする方法」というアプローチが正しいんです。

  • 情報提供者とコンタクトし、自分たちの商売が有利に働く様に、意図する方向に情報をインプットしていく
  • 一見関連しなさそうに見える情報から、仮説を構築し、試行錯誤してみる

これらに共通するのは、ストーリーを構築する為の「想像力」が必要であることが分かると思います。この想像力こそ、人以外に資産を持たない総合商社の力の源泉と言えるでしょう☝️🐱

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いかがでしたでしょうか❓次回は、有益な情報を現場で仕入れた話をご紹介しますね✨

ご質問等あれば、本ブログのお問い合わせフォーム、Peing匿名質問箱、TwitterのDM等でお知らせ頂けるとありがたいです‼️

最後に。

明朝、遂にサンタクロースになりますです🎅✨😳ドキドキ

P.S.

以下、宣伝です🐱🙇‍♂️

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