【総合商社】三井物産のロシアLNG事業
どうも、ドチです🐱
さあ明日からまたシゴトシゴトの日々が始まりますね☠️
まあじゃっかん億劫な気持ちこそあれど、
年末年始にかなりリラックスできたこともあり、ある程度やる気に満ちています💪🔥
日々、ブログのネタ探すぞぉ〜って感じですね👁💦ハハハ
さて、今回の記事は、年末にニュースになってた三井物産のロシアLNG事業に関する話を取り上げます👍
👦「知ってる!三菱商事と一緒にやってるサハリン2だろ⁉️」
👧「サハリン2なら、以前、このブログでも記事書いてなかった⁉️あれは勉強になった💪」
ありがとうございます🙏
本日紹介するのはサハリン2ではありません🙅♀️
実はもっとロシアの北西の方で、日本の政府機関のJOGMECも参画するアークティックLNG2、というプロジェクトに関してです。
政情不安定の異国の地でのプロジェクトがいかに難しいか、本記事をつうじて商社のリアルをお伝えします🎤
それでは早速見ていきましょう🚀(記事の長さ:普通(2-3分程度))
目次
- アークティックLNG2🇷🇺プロジェクト概要
- 今、何が起こってる⁉️
- 海外での大型案件の難しさ⚡️
1. アークティックLNG2🇷🇺プロジェクト概要
さて、まずはこのプロジェクトがどういうものか、カンタンに説明していきます⬇️
- ロシア北部ギダン半島の陸上ガス田を開発し、最終的に年間1,980万トン(※日本のLNG輸入量7,200万トン/年の約27.5%)の生産キャパで掘った天然ガスを液化する設備を建設する上中流一体型事業
- 2019年に三井物産と日本の政府機関たるJOGMECが参画(両社で計10%)🇯🇵。参画時は2023年頃からのLNG生産開始を予定していた
- 主要株主はロシアの天然ガス生産・販売大手の🇷🇺NOVATEK(60%)で、その他の株主は🇫🇷トタール、🇨🇳中国石油天然気集団(CNPC)、🇨🇳中国海洋石油集団(CNOOC)で各10%
という感じです。
全体の10%のうち、JOGMECと三井物産の持株比率は75%と25%であり、
単純計算で生産される2.5%のLNGが三井物産の権益だとすると約50万トン/年という量で、けっこう大きなプロジェクト⛽️
何より、政府機関のJOGMECも参画していたわけで、日本の資源確保/エネルギー安全保障という観点でも、非常に大切なプロジェクトだったんですよね☝️
ちなみに、2020年時点での日本の天然ガスの輸入先(ほぼ100%LNGの形で輸入)は、約40%をオーストラリアに依存してます🇦🇺🐨
脱炭化水素がさけばれる世の中ですが、石炭・石油とくらべてCO2排出量の少ない天然ガスは、
今後も数十年にわたって安定的に利用されることが見込まれる大切な資源です。
このプロジェクトに関して、23年11月~年末にかけて色々ニュースが出てまして、それを次章以降紹介していきます。
2. 今、何が起こってる⁉️
23年11月3日、三井物産が以下の記事をプレスリリースしました👇
https://www.mitsui.com/jp/ja/release/2023/1247738_13866.html
すごくカンタンにまとめると、
- 11月2日、本プロジェクトが経済制裁対象となることを、米国OFACから発表があった⚡️
- この発表の影響は、今後しっかり分析して株主などのステークホルダーにご報告するし、プロジェクトに関与し続けるかは日本政府とも連携して慎重に動く🤝💦
- とりあえず、(本プレスリリースの3日前に発表した)24年3月期の上半期決算発表の、通期予想業績からの変更なし
って話です🖐
👧「SDN(経済制裁対象者)…ってなに⁉️」
ですよね。
これについては、ちょっと以下の過去記事(第1章だけでも‼️)をかるく読んでいただきたいんですね🙏
そして、先月末、同社の公式発表ではないですが、産経新聞より、この影響で三井物産が現地の出向者を引き上げたという記事が⬇️
https://www.sankei.com/article/20231226-RPYGLJ477RJATAU3YO2JJITN3Y/
記事中には、「米国の制裁から出向者を守る意図もある」という記述もありますね🤔
これは具体的にはどういう意味でしょう❓
超シンプルに言えば、
「米国の制裁の対象はなにも法人だけではなく個人にも適用される(財産の差し押さえ、とか、今後の米国および友好国への入国制限など)ので、社員が対象者となることを防ぐ」
とかとか、そんな意味があるものと推測されます。
また、NOVATEKが、他の出資者4社に対してプロジェクトの凍結を通知したとの記載もありますが、これは詳細は不明🤷
カンタンに言うと、すでに同社がこのプロジェクトに投融資した200億円弱が不良債権化(クズになる)可能性があり、
その他2,000億円を超える、何らかの保証金を支払うリスクもある、
という話です。
3. 海外での大型案件の難しさ⚡️
別の記事によれば、先ほど挙げた中国の株主2社は、早速米国に「このプロジェクトは例外的に制裁対象外としてくれ🙏」と陳情している様子です。
日本の動き(三井物産がJOGMECとどういう会話をし、同様に米国に陳情しているのかなど)は24年1月3日本日時点では不明。
ただ、、
ここまでの内容を読んでお分かりいただけたとおり、、
国家としての意義やリターンは大きいであろう一方で、いきなり数百億円/数千億円を失うリスクがあり、
さらには、(極端な言い方をすれば、)社員も「国際的(西側諸国的)にNGなことをしたとして記録される」というリスクをともなうような、
海外のプロジェクトの成功というのはとてつもなく難しいことがわかります。
戦争が長期化する間は、ロシアの孤立は当面続くでしょう🇷🇺
本件は、今後もよ〜く観察して引き続きお伝えしていく予定です。
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いかがでしたでしょうか❓
ふだん、当ブログでは不真面目なアホ記事を書いたりしてますが、
たま〜に少し真面目な話をすると、こういう世界情勢の中で会社としての重要な意思決定に(ハシクレとしてでも)関与するような場面もあり、
商社パーソンというのは緩急が大きな業種だなぁとは思います⬆️⬇️🔥
もちろん、毎日が緊張の職場ということではないにせよ、
地球規模で起こってることにアンテナを立て、世界を相手にするなかなかエキサイティングなシゴトであることは間違いないかなと👍
興味を持っていただけましたら引き続きご愛読よろしくです🙏