総合商社が激務と言われる理由

総合商社

どうも、ドチです🐱

今回は「総合商社は激務」と言われる理由と、「そもそも本当に激務なのか?」について、現役社員の立場から解説してみます。

商社と言えば、想像するのは接待や海外出張とかかなぁ。

もちろん、そういう要素もあるのですが、もう少し違う観点で、具体的に分かり易く紹介したいと思います(記事後半に「リアル商社マンの一日」の例あり!)。

結論

  1. 仕事量は多い? → 比較的多いと言える
  2. 仕事内容以外に激務に見える要素は? → 付き合いと時差
  3. 結論、激務? → 一部はYes。部署によってはNo。忙しくても工夫次第で回避可能

上記を具体的に見ていきましょう。

仕事量は多い?

総合商社の社員は、多種多様な人間が、多種多様な業務を行なっているので、一概に言えませんが、私が担当した経験のある貿易商売のケースを例にすると、以下2つの理由で、他業種と比較すれば仕事量は多い、と言えると思います。

  1. 取引先が多い
  2. 商売のサイクルを1人で回す必要あり

それぞれ、以下に補足していきます。

①取引先が多い

これは何も、お付き合いしているメーカーさんの数が多い、という意味だけではありません。1つの商品を貿易することとなれば、売手(メーカー)、買手(需要家)に加えて、輸送を担う物流会社(例:船会社。⛴を所有し、日本→中国、中東→欧州といった指定航路で商品を運搬してくれる会社)とそれぞれ契約を結ぶ必要があります。

つまり、売手・買手・物流会社と違い、3社と同時並行で交渉・契約書作成をする必要があるのです。

交渉の結果、契約成立となった場合、「何でも屋💦」である商社が、買・売の2つの契約書のドラフトを準備することが基本で、各社と細かい条件を詰めていく作業が発生するのです。

②商売のサイクルを1人で回す必要あり

また、「買って売る」という極めてシンプルな貿易商売でも、その商品の需給の調査から、商売して代金を回収するまで、最初から積み上げていくまでに多種多様な業務が発生します。

その業務の全てを、その商品に携わる担当者が一手に行なうのです。

具体的には、

  1. 市場分析(どの国で生産されてどこでどの程度需要がある?)
  2. 仮説構築(今後市場どうなる?誰から買い誰に売れば儲かる?)
  3. 取引先調査(財務状況は健全?リスクリターンは適切?)
  4. 提案・交渉(どういう戦略で売手・買手に交渉する?)
  5. 契約書作成(時期、価格、数量等主要条件以外をどうする?)
  6. オペレーション(急遽、販売先変更!航路変更しなきゃ!等)
  7. 代金回収(支払遅延?どうすれば一刻も早く代金回収出来る?)

という感じです。

一般的なメーカーで言えば、市場分析→マーケティング部、原料購入交渉→購買部、製品販売交渉→営業部と、部署毎に役割分担されてますが、商社の営業部隊は基本的に担当者1人/1チームで行ないます。

もちろん、与信調査や契約書実務のアドバイスは、バックオフィス部門の心強い支援がありますが、アドバイスを受けた上で、商売を行なうか決断するのは営業部門の担当者です。

仕事内容以外に激務に見える要素は?

担当する業界の慣行や、取引先の所在国によりますが、以下が挙げられるでしょう。

  1. お付き合い
  2. 時差

①お付き合い

平日の接待や社内飲みとはまた違ったイベントで、担当商品によっては、例えば、業界団体「〇〇会」と銘打って色々な業種の方が定期的に集まり、土日祝日にゴルフコンペ⛳️を開催する、という様な業界もあります。

これだけであれば、商社に限らず参加企業の担当者は皆、休日のプライベートを失うのですが、ご想像の通り、基本的に幹事=商社となることがほとんどです。

(まあそれが半年に1度程度であれば・・・)

と思われるかもしれませんが、ゴルフコンペの幹事業は何も当日一日だけの仕事ではありません。

お取引様に失礼の無い様、参加者様のハンディキャップを事前に聴取したり、一緒にラウンドする組み合わせを決めて、上司に相談した上で、〇〇会の主メーカーの△△さん経由で□ □部長様にお伺いを立てたり・・・(各社の「一番偉い人」は当然1組目!2組目以降の「そこそこ偉い人」をどう配置していけば。。。的な)。

加えて、「『〇〇会』近いから、本番で幹事(=いつだって若手😢)が粗相しない様に、練習で社内コンペやるか!」とか、言い出す上司/先輩がいるのも世の常です。そうすると、練習の為のコンペの準備にも時間がかかる、という不毛な状況に陥ることも多々ありです。

少し脱線しますが、それでもビジネスマン的には幹事業は早いうちに一度経験した方が良いです。

②時差

多くの社員は海外の取引先と商売をしてるので、時差は激務に見える重要な要素です。

海外とビジネスをする人なら全般に当てはまるでしょうが、商社マンは各主要都市との時差は基本的に暗記してます(上海+1、ニューデリー+3.5、ドバイ+5、EU+8等々)。

これが商社マンを苦しめる要因となり得ます。

私の先輩で、仕入れはドイツ🇩🇪、販売はブラジル🇧🇷という貿易をしてた人がおり、一定期間目のクマが取れない時期がありました😱

具体的な一日は?

例として、貿易に携わる商社マンZ君(😀)の一日を紹介します。

  • 09:00-10:00 出社→担当商品の市場チェック✏️
  • 10:00-11:00 メーカーA社/八重洲を訪問。商品購入提案☕️
  • 11:00-12:00 メーカーB社/浜松町を訪問。商品購入提案☕️
  • 12:00-13:00 昼食🍔兼コンペ賞品買い出し🏌️‍♂️
  • 13:00-14:00 船ブローカーC社/シンガポール🇸🇬と📞
  • 14:00-15:00 需要家D社/インド👳‍♂️より📞「オファーくれ」
  • 16:00-17:00 A社と📞しオファー入手。C社より⛴運賃入手
  • 17:00-18:00 提案作成。並行し、店開いたばかりの英国アナリスト💂‍♀️と📞
  • 18:00-19:00 👳‍♂️へオファー送付✉️。期日は🇮🇳17時半=🇯🇵21時
  • 19:00-22:00 A社と会食。👳‍♂️より📞で「買う!」。席上でA社と🤝
  • 22:00-24:00 2次会🎤A社課長「Z君良くやった!大盛🍛食べなさい!」
  • 24:00-25:00 帰宅・就寝(疲れた…。でも良い一日✨😴)

上記の様なイベントに加え、Z君は、どこかで時間を割いて社内の業務(バックオフィスとの打合せ、為替ポジション等の報告、契約成立の報告書作成等)に加え、翌々日の海外出張準備をしなければなりませんでしたとさ💦

結局、本当に激務?

ここまで見た通り、時差が大きい海外との取引で、且つ「数時間単位」で時間に追われる様な商売に携わる一部の社員は、激務と言えるかもしれません。

ただし、そこまで取引先や社内関係者多くなかったり、1回の商売の利益が多額で契約の数が少ない等であまり忙しくない課・部署もあり、やはり一概に「総合商社=激務」とは言えないでしょう。

さらに言えば、今後、アフターコロナの世界では、取引先訪問・会食・海外出張等も減っていくでしょうし、Z君の一日にも変化が見られることでしょう。

また、同じラインに後輩がいれば、一定量の仕事を振ることで業務量軽減は出来きちゃったり(後輩には丁寧に振ってあげましょう💦)。もし自分が一番下っ端でも、「社外に部下を作る」という発想で、他社様に外注すればある程度減らせます⭐️

その為には、普段から相手の興味関心をしっかり把握し、可愛く丁寧に接することが必要ですね🐱

最後に。

激務とか言ってブログ書いちゃってます!!🐱