総合商社のリアルな仕事内容②~営業部門総合職事業投資編~

仕事内容

どうも、ドチです🐱

今回は「総合商社のリアルな仕事内容シリーズ」の②営業部門総合職事業投資編について解説していきたいと思います💹。

各商社の主な収益源となっている事業投資業務ですが、皆さんのイメージ的には、

何か物流業務よりも華やかそう✨

と思われている方が大半かと存じます。もちろん、そういう場面もあるのですが、実際には本当に本当に泥臭い業務の積み重ねです(・・というか、サムネが毎度「出オチ」ですみません💦)。

それでもロマンのある事業投資について、以下の通り見ていきましょう。出来るだけ専門用語を使用していないので、学生さんでもお分かり頂けると思います✨ (見出し③具体的に何するの?はリアルさが満載です!)

まとめ

  1. 事業投資とは、将来性のある企業/プロジェクトにヒト・カネ・情報等を投資し、その企業/プロジェクトの価値を上げることにより長期的に利益を得るビジネスモデル!
  2. 自社のノウハウ/ネットワークを活かし価値を向上出来る、または、自社のビジネスとの相乗効果が見込める様な企業/プロジェクトへの事業投資が望ましい!
  3. 投資後の事業管理に比べて、投資前業務の方が忙しい傾向がある!

①事業投資って何?

ものすごく簡単に言えば、

「今後、需要が見込まれる様な製品/サービスを作る企業であったり、投資することで自社のビジネスが拡大する様なプロジェクトに投資することで、将来的に初期投資額を上回る様なリターンを狙うビジネスモデル」

です(簡単に言ってますかね・・)。

もっと具体的に言えば、

具体例①
今後、アフリカの人口増加が飛躍的に伸びると予想⤴️
→現地では安価で栄養価の高いモノの需要が高まってくる🥦
→資金調達、原料輸送、マーケティング・販売は可能。けど技術が無い🛠
→取引先のヘルスケア企業と組み、現地にサプリメント製造工場を建てよう🏭

とか、

具体例②
現在、ウチはアジア域でタイヤ販売シェアが5%程度🖐
→今後乗り物需要が更に高まる東南アジア域で販売シェアを伸ばしたい⤴️
→タイヤは売ってないが、同地域内の車ディーラーへの影響力がある現地商社を買収し、ウチの販売シェアを15%に上げよう☝️🖐

とかとかです。

②どういう事業に投資する?

先ほどの具体例で少し触れましたが、①自社の強みが活かせること、②投資の結果、価値を向上する/自社のビジネスとの相乗効果が見込まれやすい、の2点がポイントとなります。

例えば、2000年代より高騰した鉄鉱石(鉄鋼の主原料)への大手商社による権益投資の話を挙げます。

この様な投資は、鉱山開発技術を持つ海外の巨大企業(BHPビリトン、リオティント、アングロアメリカ等のいわゆる「資源メジャー」)との密な関係があった(=強みがあった)からこそ出来たのです(かつて、日本の鉄鋼需要が伸びゆく時代から、商社は(当時の)日本製鉄やJFEスチールといった大手鉄鋼メーカーという鉄鉱石の大口需要家を持っており、その様な資源メジャーの得意先だった訳です)。

また、こういう鉱山の権益投資に付随して需要が生まれる重機🚜の販売権を自社で取ってしまう等の相乗効果を狙ったりする訳です💰

③具体的に何するの?

ここまで読んでも泥臭いイメージが臭わないけど?

お待たせしました。解説していきましょう。

先ほど説明した権益投資が、一朝一夕で出来るわけがありませんね。投資決定までに、社内外でどんなことをやらなければならないでしょうか?出来るだけ簡潔に挙げると、、

①そもそもこの鉱山本当に価値ある(寿命長い?品質高い?)?
②一緒に投資するパートナーの技術や財務力大丈夫?
③開発区域の近隣住民から訴訟されるリスク無い?
④銀行から誰がいくらお金借りる?
⑤もしも途中でパートナーがやめたいと言ってきたら?
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と、文字通り「山」の様にあります⛰これら調査や対策を抜かると、リターンが得られないどころか、損失を出してしまう可能性があるので必死です。

加えて、上記の様な話を全て整理出来たとして、投資額が「総額500億円!」となったら、その事業部の部長が一人で決定出来るはずもなく、巨額なものは、その事業部/本部が取締役会にお伺いを立てることとなります。この制度を稟議(りんぎ)と言います。

普通、投資額が大きい案件ほど慎重に吟味するので、投資額が大きい程稟議のプロセスに多大な時間がかかることになり(=稟議の内容を見て、「これはリスクが大きすぎる!」等の意見や「他にこういったリスクもないか?」等の質問を数十件〜数百件受ける)、それに対応するプロジェクトチームは疲弊し、プライベート等は崩壊していくことになります。

最初は

という感じで、「社内の精鋭」として集められたプロジェクトチーム✨なのですが、稟議プロセス中は、

という様変わりになるのです。

例)具体的な一日のスケジュール

稟議プロセス中の商社マンY君(😀🐜💦、A事業部)の一日を紹介します。

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08月XX日(金)
08:00-09:00 出社→チームメンバーで13時の会議資料チェック✏️
09:00-10:00 A事業部長交えて資料の最終チェック✏️追加対応💦
10:00-11:00 パートナー B社より、前提条件変更の📞あり。「フザケンナ🐜」
11:00-12:00 条件変更を受け、銀行と借入金の金利交渉👊「ヤスクシテ🐜」
12:00-13:00 昼食=レッドブル(30秒)🥤資料変更✏️→部長が確認
13:00-14:00 コーポレート各部門へ案件説明会議📊
14:00-15:00 会議で指摘されたリスクを回避すべくB社と再交渉📞💣
16:00-17:00 コーポレート部門より追加指摘受領。「ハヤクイエ🐜」
17:00-18:00 C専務秘書から📞「来週火の会議、前倒し月で!」💢😱
18:00-19:00 部長以下で土日のto doを確認。「センシュウニツヅイテカ・・🐜」
19:00-27:00 「オワラナイ🐜ギブ🐜」
28:00-32:00 帰宅・就寝
33:00- 出社

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これで漸く社内の決裁がおり、パートナーとの契約書調印が済んだと思ったら、、投資決定後の事業管理業務が始まっていくのでした(事業管理業務は別途書きます!)。

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いかがでしたでしょうか❓稟議プロセス中のハードさは伝わりましたでしょうか❓

次回はシリーズ③のコーポレート部門①(財務部・経理部等)編です❗️

最後に。

「いやいや、だから商社は意思決定が遅いんじゃない⁉️」→そうなんです・・🐱