【業界比較】総合商社と戦略コンサルによる問題解決の違い
どうも、ドチです🐱
今回は、「戦略コンサルと総合商社の問題解決の違い」というテーマで記事を書いてみました。✍️
先日、Twitter上で、以下の様に呟きました。
その際、とある就活生の方から、
「問題解決ってコンサルの商売では?」
というご質問を頂き、今回の記事を作成しようと思うに至りました。
本記事の題名を見られた方は、
(いや、コンサルって提案して終わりで、商社は新しい顧客を探したり一緒出資したりって感じでしょ?😦)
という考えをお持ちの方がほとんどではないかと思います。が!結論、それらはほんの一部でしかありません🙅♀️
本記事では、実際にコンサルを起用する商売を目の当たりにする現役の総合商社社員として、両者による問題解決の違いを分かりやすく説明することを目的にしてます。
想定読者として、戦略コンサル←→総合商社に転職を考える社会人や、両業界を併願、または業界分析中の学生をターゲットとしており、その様な方々の参考になることを願ってます🐱✨
それでは早速見ていきましょう🚀(記事の長さ:長め(4-5分程度🙇♂️))
目次
- 戦略コンサルって何やってるの?
- 総合商社の問題解決って何?
- 両者どう違うの?
1. 戦略コンサルの問題解決って何?
まず、超ざっくりと戦略コンサルの業務内容について触れます。
戦略コンサルの仕事は、大きく以下の通り分けられる・・そうです(元ボストンコンサルティンググループ(以下、BCG)の、大学の先輩に聞きました👂)。
- 戦略立案:顧客企業の経営戦略策定を支援する
- M&A支援:顧客が企業買収等を考える際に、買収先企業の価値算定や買収後のスムーズな統合作業(PMI)を支援する
- オペレーション改善:顧客企業の生産活動/調達・営業活動といったオペレーションにおいて、コスト削減等を提案し支援する
まず、1.ですが、これは文字通り、顧客企業の経営戦略を立案する仕事です。会社としての経営方針(中期経営計画等)の策定支援に限らず、採算の悪い事業部の立て直しや、成長の為の方法としてM&Aを採るか、等々の難しい経営課題に対し、プロジェクトチームを組成し送り込み、数ヶ月単位で顧客企業の経営陣等へ解を出すという仕事ですね。
この仕事のイメージが強い為、学生さんを始めとして、世間は、
「高い時給をもらって、提案して終わりって感じでしょ?😒」
というイメージを持ちがちなんですよね。
次に、2.M&A支援ですが、簡単に言えば、顧客が買収を検討する企業について、その顧客の既存事業と相乗効果を見込めるか等の要素を分析したり、買収価値を算定することで、意思決定のアドバイスをする仕事です。
また、買収後、自社と買収先の統合がスムーズにいく様に、軌道に乗るまで実行支援したりもします。
最後に、3.オペレーション改善ですが、顧客企業の業務効率化を図り、コスト削減や売上・利益向上を通じ採算を改善することを支援することです。
さて、ここまでは教科書的な話をツラツラと書いてきましたが、これから強調しておきたいのは、2.&3.の業務での「顧客企業への刺さり込み度の強さ」ですね。
前述の通り、コンサルって提案して終わりなドライな職種ってイメージですが、決してそんなことはありません。
実際、企業に常駐し、顧客企業の従業員と一緒に汗水垂らし、寝食を共にするという(←「寝」はないか😄💦)、寧ろウェットな一面さえあります。事実、私の先輩は、
👴「XXさん、もうずっとウチで一緒にやってくれんか?」
と現場で毎日言ってもらえてたらしく、仕事の後は毎日必ず社員さんと飲みに行って会社の将来を語り合ってたと言います。その日々が本当に楽しかったと。
ちなみに、私の勤務先でも、オペレーション改善で、それこそTop tierの外資系戦略コンサルを起用しています。
オペレーション現場に着いたそのコンサルのチームは、一定の観察期間・戦略立案期間を経た後、ものすごい勢いでコスト削減に取り組んだとのことです。
その現場は海外のプラントだったのですが、現地のローカルスタッフの心を掴み、モチベーションを上げ、半年程で一定の成果を出しました。
ちなみに、その時の報酬は、時給という形ではなく、削減分のXX割という成果報酬型であったと聴いてます。
頭脳明晰なエリート集団のイメージが強い戦略コンサルですが、それだけではないウェットさと人間的な魅力がある人も多いんですね✨
2. 総合商社の問題解決って何?
対して、総合商社の問題解決とはなんでしょうか。
ちょっと具体例を挙げてみましょうか。
まず、以下の様な問題を抱える取引先のメーカーが存在すると仮定します。
- 自社の製品をインド市場へ拡販したいが、需要家をどう探せば良いか分からない。
- 工場の所在地が災害の多い地域で、生産量が安定しない。
- 競合他社も販売するインド最大手の需要家へ輸送する為の物流費を見積もったが、想定以上に高い。
- インド市場は魅力だが、代金回収が無事に出来るか分からない。
- もし、何社か開拓できて販売が順調にいったら、インド国内での工場建設も検討したい。
冒頭のツイートでも述べた通り、総合商社は「何でも屋」です✨💪
上記それぞれの悩みに対し、以下の通り、ワンストップサービスとして解決策を提示することが可能です。
- インド支店のローカルスタッフを駆使しで、需要家を探し出す(グローバルネットワークの活用)。
- 災害を理由とする工場の稼働停止による損失を補填する保険商品を提案(保険代理)
- メーカーに代わり、総合商社の巨額の物流量を武器に船会社と交渉し運賃を下げ、船のオペレーションを担うことで、メーカーの利益向上に貢献(物流コスト削減)。
- メーカー & インド新規顧客の間に仲介し、顧客からの代金回収不能リスクを取り除く(与信リスク低減)。
- 現地の有力なエンジニアリング会社を紹介したり、一緒に出資することでメーカー本社の資金繰りや、操業開始後の販売出来ないリスクを低減したりする(ファイナンス、マーケティング等)。
この様に、顧客が悩んでいることに、ヒト・カネ・情報等を突っ込み、顧客と一緒にビジネスを創り上げていくイメージです。
3. 両者はどう違うの?
さあ、これまで両者の問題解決について見てきましたが、、何が違うでしょうかね?
誤解を恐れず簡単にまとめると、まず、
- 基本的に、コンサルは自社でお金を出して解決の手段を引っ張ってくることが出来ない一方、商社はお金を張って解決策を提供するという手段がある
という点ですかね。
上記の例で言えば、商社であれば保険商品を買ってきて売ることが出来ますが、コンサルはそうもいきません。Fee businessであり、身銭を切ることがないので、自社が損失を出すリスクを取ることが出来ないのです(したがい、船をオペレーションする等もコンサルはやりません)。
ただ、もちろん、内部で顧客のキーマンを説得し、顧客自身にお金を払わせ外部のサービスを買うという様にコントロールすることは出来るでしょう。
また、次に、
- コンサルは短期集中で顧客の企業に駐在し結果を出すことが求められる一方、商社は中長期スパンで人材を張り付ける
という点も異なるポイントと言えるかと思います。どちらにも良し悪しがありますが、個人的には中長期で顧客・投資先と苦楽を共にする様な人生を送りたいと考える派です。
ただ、超短期集中で、色々な業界で色々な企業の課題解決に携わる分、短期間でバラエティに富んだ仕事が出来、かつ若くして大企業の経営陣と会話出来る様な点は戦略コンサルの魅力と言えそうです。
最後に、ここは本当に大きな違いですが、
- 基本、コンサルは顧客の「悩みありき」で仕事を受注するところがスタートですが、商社は、そもそも取引先から悩み/課題を聴き出すところがスタート
という点でしょうかね(*)。
そもそも、取引先の方から
👨🦰「ドチさん、今俺たちXXXっていう悩み/課題があってね、どうすれば良いかなあ?」
なんて言ってこられようもんならもう半分以上その仕事は終わった様なもんですね。。その様な関係性を構築しているだけでもうスーパー商社マンです🕺✨
寧ろ、その悩みを聴き出す為にお酒の席を用意したり、彼女と喧嘩してる話を親身に聞いたり、有益なアプリのリスト作って紹介したりと、公私にわたって「他でもない特別な悩み相談相手の私💋」になる為の努力をするんですよ💦
・・・ってか、もっと言えば、ほとんどの取引先の対面は「現状維持で良い」と思っていて(余計な仕事増えるの嫌だし)、そのマイナススタートから、対面→その上司→経営幹部を動かす為の話の持ってき方を考えるって感じです。他商社を出し抜いて🔥
まあでも、その一連のプロセスが本当にやりがいあって楽しいんですけどね😏✨
(*)もちろん、コンサルも仮説を立て営業を仕掛けることもあるのは存じてますが、基本は「顧客の悩みありき」との理解です。
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いかがでしたでしょうか❓やっぱちょっと商社をひいき目に見た文章になっちゃいましたね💦
ちょっと自画自讃しちゃいますが、ここまでリアルに各々の業界の問題解決について書かれた記事は世に無いと思います😏是非、何度も読んでみて下さい!!
ご質問等あれば、本ブログのお問い合わせフォームか、TwitterへDM頂けるとありがたいです✨
最後に。
家族全員風邪・・ツラい・・🐱🐱🐱💦
P.S.
平日は毎日Twitter上で総合商社関連Newsをまとめて呟いてます。よかったらフォローしてチェックしてみてね👁 → @Dochikun1