【総合商社】事業管理ってどんな仕事?
どうも、ドチです🐱
今回は、「事業管理業務ってどんな仕事?」ということをテーマに書きます✍️
👧(ん?そもそも、総合商社の仕事って、物流と事業投資じゃなかったっけ??事業管理??)
そう思われる方も結構多くいらっしゃると思います。事業投資って、結構、広い範囲の業務内容を指してるんですよね。OBOG訪問等の機会に、
👱♂️「え〜っと、事業投資関連の業務に携わっています」
と言われたら、おそらく彼の仕事は、とあるプロジェクトの
- 投資前業務(出資比率・条件交渉や稟議※1)
- 投資後業務①(出向先=投資先での経営やオペレーション)
- 投資後業務②(本社や投資会社※2での事業管理)
のいずれかor兼務なんですよね。
※1. プロジェクトへの出資許可を取得する社内プロセス ※2. 投資先の株主となる、本社の子会社。海外のプロジェクトは、税制面を考慮して(簡単に言えば、税金の支払いを少なくする為に)、プロジェクト所在国に本社100%子会社の会社を作り、その子会社から出資を行なうケースが多々ある。投資会社≠投資先企業。
本記事では、上記の内の事業管理業務にフォーカスし、私自身の経験を基に、どんな仕事なのかを解説してみようと思います✨
それでは早速見ていきましょう🚀(記事の長さ:普通(2−3分程度🙇♂️))
目次
- 事業管理業務とは?
- プロジェクト出資比率によって、「やりやすさ」・「難易度」が変わる?
- 事業管理は離職率を高める原因となる業務の一つ?
1. 事業管理業務とは?
プロジェクトの出資比率、局面により変わるのですが、基本的には大きく以下2つに分けられます。
- オペレーション支援
- 決算管理・稟議フォローアップ
それぞれを簡潔に説明していきます💪
①オペレーション支援
これは、例えば、モノづくりのプロジェクトであれば、原料調達・製品マーケティング、ファイナンス等が代表的な仕事になります。
一緒に出資するパートナー企業から商社が頼られる/期待される主な仕事って、
「原料を安く調達してほしい!」→物流コストの強い交渉力
「製品の販売先を拡大してほしい!」→世界各国にあるネットワークと営業力
「低い金利でプロジェクトの資金繰りを助けてほしい!」→強固な財務基盤を活かした資金調達力
等なんですよ。なので、日々、価格競争力のある船会社をプロジェクトのオペレーター担当に紹介したり、隣の課で、プロジェクトの製品の物流を手がける担当者経由で海外店スタッフ使ってマーケティングしたり、国際協力銀行(JBIC)やメガバンク等の商業銀行と金利交渉したり、というのが日々の業務になります。
②決算管理・稟議フォローアップ
決算管理というのは、投資先から、日々の操業状況や資金繰り状況を聴取し、エクセル等で、業績見通しを管理する業務です💻
また、稟議フォローアップというのは、その様な決算データ等と、出資参画を決定した時の稟議許可内容とを照らし合わせ、プロジェクトの現況を報告する業務です📄
各々、もう少し具体的に説明しましょうか。
決算管理ですが、、プロジェクトの業績管理ってめちゃくちゃ大事な業務なんですよ!
今やもう、総合商社の連結決算の利益は、そのほとんどが子会社/関連会社からの取込益なわけで、連結決算への影響が大きいプロジェクト程、この見通し把握がズレたら、四半期毎に発表する決算情報の信頼性が落ち、企業の株価に超大きな影響を与えてしまうのですね💦
なので、投資先企業から、操業状況の詳細説明等の大切な情報をしっかり開示してもらっておかないとマズいわけですね。
👦「自社が投資先の株主でしょ!?開示なんて当たり前では!?!?」
それがなかなか難しいんですよ。。次の項で諸事情を述べます・・👅💦
稟議フォローアップですが、これは、簡単に言えば、
🏢「稟議書で誓った通り、プロジェクトは順調ですか?それとも見通し通りに儲けられない要素でもある?キチッと会社に説明して下さい」
という意義の仕事です。つまり、投資だけして後はほったらかしはもちろんダメなわけで、全ての案件は、常に「継続か/止めるか」のプレッシャーにさらされているんですよね。
したがい、会社に対して稟議のフォローアップを行なうことは非常に大切であり、これも事業管理担当のお仕事なのですね。
2. プロジェクト出資比率によって、「やりやすさ」・「難易度」が変わる?
さて、先程、
「プロジェクトへの出資比率で業務内容が変わる」
とか、
「投資先に、タイムリーに詳細な情報を開示してもらうことが難しい」
等と申し上げましたね?これらは一体どういうことでしょうか??
実は、商社の出資するプロジェクトって、全てが全て、商社が最大株主となっているわけではないんですよね。寧ろ、例えば、各商社利益がデカい資源開発系プロジェクト(金属資源・ガス/オイル等)って、そのほとんどが少数株主の立場だったりするわけですよ(住友商事は果敢にマジョリティを取っている案件が複数ありますが)。
まあ、「掘る技術」はパートナーたる「メジャー」が牛耳ってますからね🖐💦
👧(・・ん?「プロジェクトの少数株主であること」と、「投資先から情報を得ることが難しいこと」って関係しているの?)
結論、めちゃくちゃ関係してるんですよ。
考えてもみて下さい。例えば、創業者社長の会社って、社長が大株主であるが故に、スピード感持ってアイディアをドンドン実現する為に動けるじゃないですか?他の少数株主に、わざわざ方針を丁寧に説明することなく。
それと全く一緒のロジックなんです。最大株主であり、投資先のオペレーションの責任を担うパートナーは、いちいち全ての情報を丁寧に開示して、他の少数株主に「待った!それは株主間の協議事項ですよね??」とか言われたくないんです。
なので、基本、契約上、開示しなくても良いことは開示しないというのが最大株主のスタンスなんです。
つまり、何が言いたいかと言うと、上記で述べてきた2つの業務って、最大株主か少数株主かで、「業務のやりやすさ」や、「プロジェクトへの貢献の難易度」等が大きく変わってくるんです。
3. 事業管理は離職率を高める原因となる業務の一つ?
ここまで説明した様に、自社が少数株主であり、かつ、会社全体の業績へのインパクトが強いプロジェクトを担当する場合、
- 限られた情報でも何とかプロジェクトの価値向上へ貢献しなければいけないプレッシャーがあるわ🤷♀️
- 限られた情報で正確な決算見通しを立てなければいけないプレッシャーがあるわ🤷♂️
- パートナーたる「メジャー」の高圧的な態度が気に入らないわ🤷♀️
という様な状況に置かれ、一方で、他部署/他本部からは、「会社の稼ぎ頭のエリート」とチヤホヤされるという強烈な「違和感」を感じる社員も多い様で、
👧👦(この業務・・大切なんだろうけど、、私/俺じゃない誰かがやればよくて、私/俺じゃなくてもいいじゃん・・)
ってなって会社を辞めてしまう人(特に若手)が多い様です。もちろん、これが全てではないのですが、物流業務みたいに、
👦「新規顧客開拓する為にちょっとタイに行ってきます✈️」
って翌日海外出張行っちゃったりとか、
👧「あと20分でOfferの有効期限切れますが、、どうします?」
なんてハラハラする交渉を客と自分自身がしたりとか、そういうエキサイティングな場面を多く経験することはあまりないので、目移りしちゃう気持ちも分かります。両方やってみて🖐
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いかがでしたでしょうか❓他のWeb/本に載ってる情報に比べて、結構リアルな話なのではないでしょうか??😏
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最後に。
個人的にはやはり出向するのが1番やりがいがあると思ってます🔥🐱🔥
P.S.
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