【総合商社】猫でも分かる商社の事業投資解説!エクアドルでのバナナ生産事業④
どうも、ドチです🐱
今回も、前回に引き続き、「総合商社の事業投資とは?」について、具体的なフィクションの案件例を挙げ分かりやすく説明する記事の続編です✍️
今回も続編の記事なんで、前回記事までをご覧になってない方にはなるべく⬆️をまず見て頂きたいです🙇♂️
他方、お忙しい方の為に、簡単に以下の通り前回のあらすじをご紹介します👇
- B商事は、食料本部青果事業部バナナ事業課に務めるAさん(👱♂️)を中心としたプロジェクトチームが、日本の大手小売業者のC社、エクアドルの大手高級バナナ生産者E社と共に、高級品生産&パッキング事業投資案件の検討を進めてきた。
- 数々のリスクや課題に加え、E社からも後出しジャンケンを喰らってしまうも、Aさんが機転を利かせ、粘り強く交渉を進めた結果、3社間で条件大筋合意に至ることが出来た。
- 今回の話は、B商事の社内で、過酷な稟議対応をしていく場面から始まる。
です。
尚、本記事も、主に内定者&就活生、そして他業種の若手ビジネスマンの方々向けって感じです(若手商社マンには少し物足りないかもしれません)。
ただ、引き続き、同業者の皆さんからも率直なご意見を頂けるととてつもなく嬉しいです🐱✨
それでは早速見ていきましょう🚀(記事の長さ:普通(2−3分程度🙇♂️))
※尚、本記事に出てくるイベント/数字は基本フィクションです🖐
目次
- 質問の嵐
- このタイミングでそんなこと起こる・・!?
- FID
1. 質問の嵐
パートナー間で条件大筋合意の後、本部長の指示、コーポレート関係各部署のアドバイスを基に、各種契約書のドラフトが完成した。
また、B商事の取扱分の販売先となる米・中・メキシコの顧客との長期売買契約書等、十数件にもわたる契約書と、稟議書の添付となる案件説明資料も、後輩(👱♀️💦👦💦)の頑張りにより全て完了した。
最後に、稟議申請前の案件審議会という場がある。簡単に言うと、申請する前に役員等、稟議が回る主要部署の偉い人たちが集い、めちゃくちゃ細かいトコまでその案件の信頼性について質問しまくる場ってトコだ。
👓「パッキング工場がストライキか何かで稼働停止し、商品が市場に出る前に腐るリスクはないのか?」
👓「現地パートナーE社のF社長に、地元政府との癒着の心配はないのか?」
👓「品種改良が進み、販売先の市場で高級品が供給過多になる恐れは?」
👓「当社の戦略パートナーたるC社との今後の将来図は?青果事業部は具体的にどう付き合っていくつもり?」
・・まさに最後の試練だ。。食料本部に属する自分達からしたら当たり前のことでも、管轄外の役員からしたら想像だに出来ない話があったり、逆に新鮮な目で、
👱♂️(そんなリスクもあったか・・・)
と、目から鱗の鋭い質問も出してくる。これが最後の試練。
とにかく、契約締結の締切から逆算すると、明後日までに申請を行なうしかなく、今夜と明日は徹夜の作業だ(👱♂️💦👱♀️💦👦💦)
2. このタイミングでそんなこと起こる・・!?
ようやく審議会の質問に対する答弁も準備でき、稟議申請を完了させた・・。
その旨、C社とE社に一報を入れる📞C社内でもD課長(👴)を中心に稟議を上げているとのことだった。
ちなみに、、稟議を申請した後も、ドンドン追加対応の要請を受けることなんてザラである😞稟議プロセス中は、許可が下るまで心が安らぐことなんてないものだ。
少〜しだけ落ち着いたか、、と思い、現在、どの部署/どの役員の許可待ちという状況なのか、システム上で確認しながら横目で見ていたスクリーンに映るYahoo!ニュース上にこんなニュースが・・。
“XX国XX地方のバナナ畑で基準値を超える農薬の使用が見つかる。致死量に上る成分が測定され、業者は商品回収に追われる”
👱♂️(・・・XX国か。。物騒なニュースだ。。XX国は一時的に需要が落ちるだろうな・・)
他人事の様にニュースを見ていたまさにその時、一本の電話がかかってきた📞
稟議部長👨🦳「青果事業部のA君かね?」
👱♂️「・・そ、そうですが(ひえ〜💦偉い人からの📞緊張する💦)」
👨🦳「J役員より電話があってな。コンプライアンス担当でもあるJさんより、『今、稟議回ってきているウチのバナナ案件は問題ないのか』との話で・・。君、すぐ現地飛べるか?」
👱♂️「え〜〜!?」
こうして、稟議プロセス中の追加要請に応えるべくAさんは飛んだ✈️
他の案件含め、年間に100件程の稟議を見る役員等の予定はパンパンであり、契約締結期限までに許可を得る為には、今夜、日本を発つ必要があったからだ。。
3. FID
現地で第三者土壌測量機関と待ち合わせ。F社長(🕺)には怪しまれない様、適当な理由を付けて農園の再視察を受け入れてもらった。
測定値は基準値の範囲に収まり、ニュースの様なことは起こり得ないことを現場でしっかり確かめた(やはり昨今、コンプライアンス関係は特に厳しくなりつつある。違反があった際の評判リスク(Reputation risk)があまりにも高いのだ)。
帰国の途、Aさんは空港内でレポートを書き終え、本社に送付。経由地のニューヨークで稟議許可が下りたことを知った・・ホッ👱♂️😌
こうして、何とか稟議許可を取り、ついにB商事は、エクアドルでの高級バナナ生産&パッキング事業への最終投資決定(FID = Final Investment Decision)を行なったのだ🍌✨
~To be continued~
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いかがでしたでしょうか❓
次回はついに最終編、「バナナプロジェクトの投資後業務(事業管理)🍌」になります。お楽しみに!!
ご質問等あれば、本ブログのお問い合わせフォーム、Peing匿名質問箱、TwitterのDM等でお知らせ頂けるとありがたいです‼️最近、本当にたくさんご連絡頂ける様になり、嬉しい限りです✨🙇♂️
最後に。
寒くなってきたので健康管理にはお気をつけ下さいね!!🐱🍃
P.S.
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