【総合商社】海外新規ビジネスの開拓ストーリー①~キルギス産羊毛ビジネス~
どうも、ドチです🐱
今週も始まってしまいました〜💻
毎年、8月末から9月前半にかけて、森山直太朗の「夏の終わり」を聴きながら、
(あぁ、日が短くなってきて、もう秋になってくな〜、ちょっとさみしいな〜)
なんて想いを抱くのがプチルーティーンなのですが、
なんか、、
まだ暑いっすね☀️💦
みなさん、今週も頑張りましょうね💪
さて、先月からまた記事を投稿し始めて、じょじょに読者さんが戻ってきてくれててありがたいのですが、
やはり、いつも業界外の社会人、学生さんなど、いろんな人から言われるのは、
👨👧「総合商社ってどんなシゴトしてるの❓社員さんはどんな働き方してるかイメージできない🤷♀️」
です。
いや〜、そうだと思います。
入社から10年ちょい経って、ようやくわかってきたものですから🖐️
🐱「まさに、それを伝えるために、これまで5年くらい当ブログを書いてきたんで👍」
という想いはあれど、
膨大にある過去記事をいろいろ漁って読んでください、とはさすがに言いづらく、
あらためて、いろんな産業ではたらく商社パーソンの話を、フィクションベースで書いていこうかなって気分に至りまして、
本記事はその第一弾、「キルギス産羊毛ビジネス🇰🇬🐏」と題して、書いちゃおうかなって感じです。
まず言っておくと、実話に基づいた話でもなく、
本ストーリー内の細かい設定は事実と異なることがあります。
ただ、総合商社ってこ〜んな感じのことしてて、中で働く社員はこ〜んなこと考えてこ〜んな行動してるってのを、
なんとなく理解いただける内容になってると思います👍
それでは早速見ていきましょう🚀(記事の長さ:長め🙏💦(4-5分程度))
目次
- プロジェクトは会話やデスクトップstudyから始まる
- 支店経由で現地にアクセス
- 出張の段取りはリスク管理から
- 業者との面談、質問攻めの数時間
- 支店スタッフと夜の作戦会議
- 帰国後の報告とチーム立ち上げ

1. プロジェクトは会話やデスクトップstudyから始まる
👨🦰「ドチ、なんかウチが出資する紡績工場(🇯🇵🇨🇳)がモンゴル産の原料(=羊毛🐏)の安定調達に最近苦戦してるって聴いたけど、なんとかならない❓」
課長の一言で始まった今回のプロジェクト。
🐱(マジか・・出資先の利益落ちたらオレの今年度の評価ヤバいじゃん。ボーナス結構使っちゃう予定だし・・・)
モンゴルに代わる羊毛か〜。ニュージーランドとかからの輸入増やす?
けっこう高いし、増量すると価格交渉で足元見られるしな〜。
Google mapsでいろいろ眺めてると目が止まった👀
🐱(キルギス❓🇰🇬)
そういえば部署が購読する業界の情報誌の片隅に、”Kyrgyzstan”の文字は見たことある。
当然、プライベートでも出張でも、人生で行ったことない国。
そこに安価で良質な羊毛が眠っているということは、その時は知る由もなかった。
まずはウェブ検索💻さらに情報誌に目を通す👁️
農業統計の片隅に「キルギス産羊毛の輸出量増加」の文字を見つけたとき、思わず独り言がもれた。
🐱「へぇ、本当にあるんだ…。しかも増えてんじゃん」
記事をよ〜く読むと、キルギス国内には複数の有力集荷業者が存在し、
彼らが遊牧民から羊毛を集めて都市部の倉庫にストックしているらしい。
中国やモンゴルの羊毛と比べるとブランド力は劣るが、価格競争力は・・たぶんありそう。
商売になるかもしれない。
2. 支店経由で現地にアクセス
すぐにキルギスに飛んで事実関係を自身で確かめたい✨
ただ、会社全体でもそんなに渡航実績のない国。
こんなときはまず最寄りの海外支店を使いたい。キルギスに拠点はなく、最寄りの中央アジア管轄はカザフスタンのアルマトイ支店のようだ。
早速、支店スタッフにメールを送り、簡単な宿題を渡す。
初めてコミュニケーションするこのスタッフAさん(👨🦱)、けっこう優秀‼️
👨🦱📩「キルギスは政情は比較的安定していますが、物流がネックです。通貨はソムですが、業者によっては米ドルや中国元での取引に応じるっぽいです」
ほうほう。
数日後、支店から「信頼できそうな羊毛集荷業者リスト」が届いた。
A社:国内最大規模、倉庫・トラック保有 B社:遊牧民コミュニティとの強いつながり C社:新興ベンチャー、海外輸出に積極的
この3社が一次候補になった。
3. 出張の段取りはリスク管理から
いざ、本社の商品担当として対面で協議・交渉する局面になってきた🆚
ということで、出張計画を立て始める。
💻「どのフライトで行く?トルコ経由ビシュケク入り?あれ、実はカザフスタンで降りて陸路移動の方が総所要時間短い?」
💻「現地の治安は?空港からホテルまではセキュリティガードを雇うべき?」
カザフスタンに頻度高く出張する本社の別の部署の同僚や、コーポレートの安全対応の課、
そして、アルマトイ支店スタッフと綿密な打ち合わせを重ね、最終的にイスタンブール経由でビシュケク入りするルートを選んだ✈️
どうやらセキュリティガードまでは不要とのことだが、移動はすべて支店が手配する車に限定。
コーポレートの承認も得て、ついに、出張申請は部長からの承認取付けは完了💮
ついに渡航準備が整った。
4. 業者との面談、質問攻めの数時間
無事入国😌ホッ
ビシュケクの会議室で、まずA社の代表(🧔♂️)と対面。
なんだかんだ喜んでもらえる手土産は、日本が誇るヨックモックだったりする🎁
A社社長🧔♂️「我々は国内で最大の羊毛集荷業者です。年間数千トンを扱っています」
数字は立派だが、契約を履行できる信用力があるかは別問題。
こちとら、子会社の紡績会社の命運をかけてここまできてる。
失うものはない。遠慮なく相手に質問をぶつていく🎤
- あなた方が繋がっている遊牧民は何世帯規模か?飼育数は?
- 原毛の品質は中国・モンゴル産と比べてどう?
- 倉庫管理・輸送は自社で完結可能?国外への大量輸送ルートは?
- 米ドルや人民元での取引はできるか?ソム限定か?
- 来シーズンの供給見通しはどうか?
A社は胸を張って答えるが、細部の数字にあいまいさが残る🤨ウーン
午後に会ったB社はまた事情が違った。
カシミヤ山羊の写真を見せてきながら、
B社社長 👨🦲「この村とこの村を抑えている」
と具体的に説明してきた。ほう、カシミヤとはまた高品質じゃない‼️
遊牧民との人間関係に強みがあることはわかった。
でも、物流能力が弱そう。。
C社は若い経営陣(👩🦱)が登場し、パワーポイントで意気揚々とプレゼンしてくれた。
バフェット氏による投資を受けたことにより、当社も国際的なネームバリューが出てきたとは言えど、
キルギスという小国の企業で、当社と実取引でパイプを持つことの重要性を感じているというのは、
上から目線ながら、かなり国際的な展開を見すえていると感じざるをえない✨
輸出経験は浅いが、取引通貨も柔軟で、国際基準に合わせようとする姿勢は光っていた✨
🐱(なるほど、誰と組むかで戦略が大きく変わるな)
面談を終えてノートを見返すと、質問と回答でびっしり埋まっていた✏️🗒️
5. 支店スタッフと夜の作戦会議
その夜、アルマトイ支店のスタッフと地元料理屋で夕食を取りながら作戦会議。
目の前に運ばれてきたのは、地元名物の「ベシュバルマク」という料理🍽️
初めて赴く出張地での楽しみの1つである😋
「A社はスケールは大きいですが、信用調査が必須です」
「B社は品質確保に強み。ただし物流サポートを外注する必要があるでしょう」
「C社は伸びしろあり。こちらが主導すればパートナーになり得ます」
優秀な現地支店のスタッフだけに、いろいろと有意義な意見が飛ぶ。
もともとの出張目的は、子会社のモンゴル産に依存した原料調達の分散であり、
その意味では大量の輸送に繋がり得るA社が有力なのだが、
B社の取り扱い商品の品質や、C社とのネットワークもけっこう発展性ありそう。
ディナーをつつきつつ、タブレットのGoogle mapsで想定される輸送ルートの話をしながら、
今後のTo Doを整理した⬇️
- 各社の与信調査(各社の財務諸表の送付依頼)
- 現地物流業者のリストアップ
- 日本・中国の子会社の紡績メーカーに試作品サンプル送付手配
スケジュールをカレンダーに落とし込み、「3ヶ月以内にテスト出荷、半年以内に商用契約を目指す」と方向性を固めた。
6. 帰国後の報告とチーム立ち上げ
帰国便の中、眠い目をこすりながら出張報告をまとめた😪
帰国後は、報告書の提出に重ねて、さっそく課内で説明会を実施📽️
スクリーンに映る「キルギス🇰🇬」という見慣れない国の地図に課員は興味シンシン😳
🐱「ザックリとした試算でしかないですし、キルギスから輸出する際の許認可とかは要調査ではありますが、、新たな原料として価格競争力はありそうですし、検討を進める価値はあると思います」
課長👨🦰「おぉ、いいんじゃない‼️じゃあD(👩)がサポートに付いて、半年間くらい追ってみてよ👍」
こうして「キルギス羊毛新規開拓チーム」が誕生🚀
まだ実を結ぶかは分からないが、これまで注目していない国で、
ゼロからサプライチェーンを組み立てていく。
こうして、ふだんの業務と並行して進める新たな挑戦が始まった🔥
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いかがでしたでしょうか❓
テキトーに書いてましたが、いつか続編書いた方がおもしろそうな内容になりましたね✨
当面は、似たような記事で、他の分野ではたらく商社パーソンの様子を書いていきますが、
いつか本編の続編も書きます✏️
そしてそして、
ちょっと宣伝入れ込んじゃいますが、
日常の若手商社パーソンがどんな想いでどんな会社生活を送っているか、「リアルさ」を追求して、過去Kindleで出版してます📕
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そして、引き続きブログ記事のご愛読、
どうぞよろしくお願いします✨
ご要望やご質問、その他お問合せ事項などあれば、お気軽に本ブログのお問い合わせフォームにご連絡ください🖐お待ちしてま〜す。