総合商社のリアルな仕事内容④~コーポレート部門(法務部・リスクマネジメント部)編~

仕事内容

どうも、ドチです🐱

今回は「総合商社のリアルな仕事内容シリーズ」の第四弾コーポレート部門②(法務部・リスクマネジメント部等)編について解説していきたいと思います💹。

前回記事(「総合商社のリアルな仕事内容③~コーポレート部門(財務部・経理部)編~」)で好評頂いている「コーポレートあるある」の第二弾も書いてみました(←業務内容には興味無し!という人はそこまで飛ばしちゃって下さい)✨

さて、早速見ていきましょう!

業務内容は?

①リスクマネジメント部(RM部)

ざっくり以下の通りです⬇️(ググってみましたが、検索トップページに出てくるのがいずれも総合商社関連なので、結構特殊な部署なのか?と思い意外でした)。

  • 取引先の与信審査および信用リスクの管理、債権回収/保全
  • 連結・グローバルベースでの市場リスクの管理
  • カントリーリスクの管理、関連する営業・関係会社支援   等々

やはり分かりやすいのは、営業部門が商売をする上で、取引する企業の信用審査を行なう業務でしょうか。

社会人になると、「販売先が代金を期日通りに払ってくれない!」なんて事態に直面することが多々あります。そういうリスクを未然に回避する為に、営業部門の販売先調査結果や第三者機関の調査レポートを基に、この会社であればどの程度の販売額まで販売可能か、ということを事前に審査する部署です。

また、事業投資のプロジェクトにおいても、

  • 一緒に出資するパートナー企業の財務状況に大きな懸念はないか
  • 投資先の国の政府による資産を接収される可能性はないか
  • プロジェクトが生産する商品は陳腐化する可能性はないか

等々のリスクが考えられ、プロジェクトを主導する営業部と一緒にこれらの対応策を考えたりします。

ちなみに、以下の書籍はオススメです(for 内定者&就活生)。2005年発行と少し昔の書籍ですが、総合商社のRM部を一躍有名にした立役者的な本であり、コーポレート部門を中心に描いていますので、内定者の方にとっては配属面談前に一読されると良いと思います。

https://amzn.to/3kMrozN

②法務部

簡単に言えば、

  • 色々な契約書(売買契約書、株主間協定書等)を営業部門が取引先と交わす際の助言
  • 訴訟案件対応
  • セクハラ/パワハラ等のコンプライアンス関連窓口対応
  • その他、ビジネスをする上での注意すべきトレンドの発信・共有(カルテル・独占禁止法等)

等でしょうか。

さて、ここからはちょっと変わった切り口で、営業部門担当者-法務部員のリアルなやりとりを紹介します。営業側から見たポイントは、「相談メールは”急がば回れ”」ということです。法務部に嫌われるAさんと、好かれるBさんのメールを例に見てみましょう。

Aさんのメール

法務部
〇〇様

お疲れ様です。
取引先のZ社より、添付の通り、秘密保持契約書のドラフトを受領致しました。
問題点等特にございませんでしたら、先方案を受諾致したく考えておりますが、Z社がXXXをした場合、今後、締結を見据える株主間協定書内で、当社が不利な立場となることが懸念される可能性があるとも言えるかと存じます。
内容ご確認頂きたく、よろしくお願い申し上げます(少し急いでます)。
E事業部F課
A

Bさんのメール

法務部
〇〇様

お疲れ様です。
取引先のA社より受領した秘密保持契約書のドラフトに関し、
ご相談させて頂きたく。
相談内容・背景を以下に説明申し上げます。

①相談内容
・契約書p.3の第3条2項情報開示対象に記載の”YYY”という文言を削除すべきか否か
②背景
・本契約書は、A社-当社間で将来実行予定のプロジェクト(出資比率Z社80%、当社20%を想定)を見すえ、事前に共同調査を行なう上で締結するもの。
・秘密保持対象期間が5年間となっており、予定通り、2年後にプロジェクトを開始した際、”YYY”を理由に、当社が不利益を被る可能性を懸念。
・恐縮ながら、08/XX(木)迄にご対応頂きたく(理由:先方の署名者が来週1週間不在)

尚、本ドラフトは先方フォームでありますがゆえ、①の相談内容以外でも、法務の観点から、何か懸念点等お気づきでしたらご指摘頂けますと助かります。
よろしくお願い申し上げます(ご不明な点があればいつでもご連絡下さい)。
E事業部F課
B
内線 : XXXX
携帯 : 090-XXXX-XXXX

如何でしょう?法務部の〇〇さんの気持ちを以下に代弁してみます⬇️

Aさん:
(は?まず何が言いたいのかわからん💢)
(具体的に何がどういう理由で「不利益」って言ってんの💢)
(こっちは「決める」立場じゃねえ。せめて確認のポイントを言え💢)
(「少し急いでます」っていつまで?コイツ電話してしばく!あ、内線番号書いてねぇ💢)
➡️こいつのメールはまず2日間放置決定。
Bさん:
(冒頭で「相談」が目的とすぐわかるね🙆‍♂️)
(相談内容と背景がハッキリ記載されてるね🙆‍♂️)
(3日後が締め切りね。急ぎだけど余裕を持って相談してくれてるね🙆‍♂️ )
(携帯番号までしっかり書いてくれてるね🙆‍♂️)
➡️Bさん、いいね!木曜と言わず、今からすぐ返信しちゃうよん♪


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ということで、(法務部に限らずですが、)対コーポレートへの依頼は丁寧に行なった方が後々ラクになります✨

話戻りますが、両部署共に、基本的には営業部門が前のめりで商売を創ろうとする場面で、客観的視点で冷静にリターンに見合ったリスクの対処方法を助言してくれる部署ですね。

コーポレートあるある2

再び独断と偏見で、コーポレート系商社マンの「ありがち」を集めてみました(パート2)✌️

  1. 要注意営業マンのリスト
  2. 4大法律事務所退職理由
  3. 懇親会という名の社内接待
  4. イミフな卑屈2
  5. 出張行けるけど・・
  6. 役員なれない?

要注意営業マンのリスト

先程説明した通り、イケてない営業からの雑な依頼を受けることは日常茶飯事。そんなダメ営業マン、しっかりリスト化しちゃってますから👓✨

4大法律事務所退職理由

総合商社の法務部は、国内外の弁護士資格を持った中途入社者も多い。そんな訳で以下の様なやり取りが時代を超えて絶え間なく続く。

営業マン「Xさんって、前職4大法律事務所のY事務所だったんすよ!?なんでそんなエリートがウチ何かに!?」
Xさん(法務部)「ビジネスの現場により近いところで仕事して見たかったんですよね」   ・・・って何人に説明すりゃいいんだよ💢

しかし、本当の理由はワークライフバランスを手に入れたいからだったりする。

懇親会という名の社内接待

(何度も通ったベトナムの田舎道🌳苦労に苦労を重ね、ようやく当社からの購入意思を確認出来たぜ🔥上司から商売開始の許可OK、メーカーからもオファーを入手。さあ、いよいよ販売だ!という直前で与信審査のキーマン(👨)からのNo⤵️ちょっと待てよ、これで客先の与信許可下りない、なんて俺の信頼が・・・こうなりゃ最後の手段❗️)

〜その夜🌙〜
「👦いつも大変大変お世話になっております🍶🙇‍♂️」
「ふむ👨」

※10年前の話か・・・

イミフな卑屈2

〜合コンにて〜
コーポマン「勤務先は総合商社のXXだよ!よろしくね!!」
港区女子👩「え〜!!商社マン!?ひょっとして今夜も出張帰りぃ〜!?」
コーポマン「いえ、コーポレート部門でして。営業の支援ですね」(←いきなり敬語)

出張行けるけど・・・

前述の通り、海外出張がレアなコーポレートの中でも、リスクマネジメント部の与信審査担当は、焦げ付きそうな債権の回収の為、営業部門の担当者の海外出張に同行することが多々ある。行先はもっぱら中国🇨🇳、インド🇮🇳とテンションの上がらない(※)国だったりする・・。(※)個人の感想です。

役員なれない?

財務・経理や人事・広報・IR等のコーポレート各部署と異なり、トップが執行役員ではない確率高し(5大商社中、法務部長が役員→2社、リスクマネジメント部長→1社のみ※)。それゆえ、サラリーマンとしての悟りを開く時期が早い傾向にあり🙏※2020年7月末時点

ちなみに、あるある1はこちら⬇️

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いかがでしたでしょうか❓実務上の営業部門とのやり取りなんかは参考になりましたでしょうか❓

次回はシリーズ最終作の⑤営業部門一般職(女性)編です❗️

最後に。

記事が日に日に長くなってしまいすみません〜!🐱