穀物ビジネス①概論編

仕事内容

どうも、ドチです🐱

シリーズで解説する、総合商社の手がける代表的なビジネス紹介記事です。

今回は、第三回「穀物ビジネス」の①概論編について説明します🌽✨

商社の仕事って、巨大な船で小麦やトウモロコシを運んで、日本の食糧を支えているイメージかなぁ⛴✨世界での貿易量のシェアもトップクラスなのでは??🌍

前者はあながち間違っていません。・・が!残念ながら後者は違います。。これまで第一回、第二回でそれぞれ紹介した石油や金属資源と同じく、この業界にも「メジャー」と呼ばれるプレーヤーがおり、業界を牛耳っています。早速以下の通り見ていきましょう🚀

目次

  1. 穀物ビジネスとは?
  2. 商社の役割は?
  3. 2010年代の商社の取組み

1. 穀物ビジネスとは?

そもそも穀物ビジネスとは何でしょうか?

前述の「穀物メジャー」の紹介も兼ね、以下の通り、説明していきます。

まず、本記事でいう穀物というのは、小麦や大豆、トウモロコシ等のことであり、北米、南米等が主な供給地域です。それら主要穀物の買付けから、集荷国内輸送保管輸出までを手がける専門の大手商社を「穀物メジャー」と言います(🇺🇸カーギル等、🇨🇭グレンコア等)。

米国や欧州に本社を置く上位5社で、世界の穀物取引の8を占めると言われており、世界の穀物流通に大きな影響力を持っています。

世界で「メジャー」と言われる大企業としては、第一回記事でご紹介した🪔石油ビジネスで登場した「オイルメジャー」(採掘・輸送・精製・販売という上流〜下流まで一括で手がける大企業)や、第二回記事、💎金属資源ビジネスで紹介した「資源メジャー」(同採掘・輸送・販売)がよく知られてますが、自ら油田/鉱山開発し生産する彼らとは異なり、穀物メジャーは基本的に生産しません。生産活動は農家が担っています。

では穀物メジャーがどうやって儲けているかと言うと、「流通(=貯蔵・輸送・販売)」を牛耳りそこで利益を生み出しています💰北米や南米の主要産地にて設備・輸送手段を保有することで、独自の流通網を持ち、🇨🇳アジア🇯🇵を中心としたマーケットへ輸出し販売します。

穀物メジャーの米カーギル社のカントリーエレベーター

天候により収穫量が上下する為、天候は穀物相場に大きな影響を与えます。生産である農家と密接な関係を築くメジャーは、生産状況の情報をいち早く仕入れ、在庫する商品を、相場を見ながら販売出来るという優位性等を持っています。

2. 商社の役割は?

元々の商社の主な役割は、国内メーカー(食品、油脂、飼料等)への安定供給を担うこと、またその他アジア域を中心とした需要地への販売等であり、前述した穀物メジャーより購入する契約を結び買い付け、国内向けは港で在庫したりしてメーカーへ販売、という感じでした。

ただ、アジアを中心とした需要増加が顕著となった10数年前頃から、穀物メジャー同様、少しずつ海外での供給網を構築する動きが活発化し始め、また、その先の生産者である大規模農業を営む企業を買収したりと、穀物チェーンの上流にまで手を伸ばしてきています🖐💦

上流での各商社の近年の取組みの具体例を挙げてみましょう。

3. 2010年代の商社の取組

①<丸紅>🇺🇸ガビロン買収(12年5月リリース)

  • 当時、年間穀物調達量が約700-800万トン程であった丸紅が、同約3,800万トンであった米ガビロン社を約2,750億円で買収。同社史上最大額の投資で業界の大ニュースとなった⚡️
  • これにより丸紅の穀物貿易量が一気に3300万トン程度になり、当時、米カーギルに次いで2位となった。
  • 年間200-300億円の利益を見込むも生み出せず、14年度に500億円、19年度に800億円にのれんの減損を出す・・(ガビロン売却の噂あるも、丸紅は否定🙅‍♀️)

②<三井物産>🇧🇷農業生産事業大手との合弁会社設立(13年9月リリース)

  • ブラジル国内6州の14ヵ所に同国最大規模となる合計約32万ヘクタールの農地を保有するパートナー企業との合弁で、ブラジル各地にて農業生産事業を拡大する目的。
  • 食糧増産余力を有するブラジルで農業生産事業を拡充し、日本やアジアを中心とする市場に向け、“安心・安全”な穀物の安定供給体制を強化、とあります。

③<伊藤忠>🇧🇷での穀物内陸集荷輸出事業への出資参画(2014年9月リリース)

  • 穀物内陸集荷、輸出事業および大豆種子の開発・販売事業を運営するブラジルNaturalle社に出資し、同事業に参画。
  • 伊藤忠の持つ日本・アジア諸国向けを中心とした販売力・物流機能とのシナジーを最大化することが狙い🤝

➡️丸紅はちょっと上手く事業拡大出来ていないみたいですが、各商社、事業活動範囲を上流まで拡大していった様ですね。

ちなみに、各商社、2012-2014年のリリースから穀物関連のニュースがあまり見られませんね。今後は、IoTやAIを絡めた精密農業分野で効率生産に成功すればこの分野でも明るい未来が見えてくるのでしょうかね(正直、商社が🇺🇸テックベンチャー等に勝てるとは個人的に思えませんが・・)。

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いかがでしたでしょうか❓

次回は、トレーディングと事業投資各々の業務に携わる社員が、具体的にどういうスケジュールでどういう仕事をしているのかにフォーカスしてお話します。

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