ブランドビジネス①概論編

仕事内容

どうも、ドチです🐱

シリーズで解説する、総合商社の手がける代表的なビジネス紹介記事です。

今回は、第七回「ブランドビジネス」の①概論編について説明します👗

総合商社のブランドビジネスって何のこと??
どういうブランドを取り扱ってるの?その他アパレル関連で商社は何をやってるの??

シリーズで紹介する他のビジネス同様、繊維事業でも各商社は元々「仲介」の立場で、原料の輸出入といった商売を生業としてます。

しかし、近年では、ユニクロの業態として有名になったSPA(*)という業態に挑戦したり、有名ブランドの買収を行なったりと活躍の場を広げてきた歴史があります🌊

(*)SPASpecialty store retailer of Private label Apparelの略で、企画・製造から小売まで一貫して行なう業態のことを指す。

本日は上記の疑問に答えるべく、商社のブランドビジネスについてなるべく分かりやすく解説します。

目次

  1. 総合商社のブランドビジネスのビジネスモデル
  2. 各商社の主な取組み(ブランド・その他ファッション関連)

1. 総合商社のブランドビジネスのビジネスモデル

冒頭で触れた通り、商社は海外ブランドの商品を取り扱ってますが、大きく分けて①経営参画型と②独占輸入販売型/マスターライセンス権型があります。

①経営参画型

簡潔に言えば、そのブランドを丸ごと買収し、自社の傘下に収める形態です⛱ 数年前に話題となった、三井物産Paul Stuart買収や、伊藤忠商事コンバース👟や、がこれに当たりますね(コンバースが伊藤忠のものとは知らなかった方は多いのでは⁉️)。

正確に言えば、伊藤忠のコンバースは、「コンバースジャパン」です。2001年にコンバースが倒産した際、再建する際に伊藤忠が参画、コンバースジャパンを設立した一方、日本以外での事業は2003年に米ナイキ社が傘下に収めています。

つまり、伊藤忠の「ジャパン」と海外の「コンバース」は全くの別会社であり、製造や販売の方針も全て親会社である商社が担うという形態です。

実際、過去に伊藤忠はナイキ傘下のコンバースの日本への輸入差止めに関する訴訟を起こし、勝訴しています🔥

②独占輸入販売型/マスターライセンス権型

独占輸入販売権というのは、海外ブランドと契約し、日本国内での独占販売権を持つという形態です。例として、丸紅(の子会社丸紅フットウェア)が米アウトドアブランドのMERRELLの販売権を持ってます。

また、マスターライセンス権というのは、同様に海外ブランドと契約し、日本国内で商品を「取り扱う」権利を持つという形態です。「取り扱う」というのがポイントなのですが、マスターライセンス権を持つものは、国内の小売業者へライセンスを付与する契約を締結する権利があります。例えば、伊藤忠商事がイタリアのブランドFILAのマスターライセンスを持っていますが、FILAのフットウェアは前述の丸紅子会社が販売してますので、伊藤忠→丸紅子会社でライセンスを付与する契約を結んでいるものと考えられます(少しややこしいのですね・・💦)。

2. 各商社の主な取組み(ブランド・その他ファッション関連)

①伊藤忠商事

ファッション・繊維業界No.1の総合商社です✨🏢✨多種多様な衣料品に対応出来る生産機能を国内外に有し、製造のみに携わるOEMビジネスだけに留まらず、業界での豊富な経験を活かし、素材提案・商品企画・縫製・物流に至るまで多彩なニーズに対応したビジネスを展開します。

1970年代、時代に先駆けて「イヴ・サンローラン」の紳士服地を輸入し始めたことが同社のブランドビジネス先がけです👗まさにブランドビジネスの先駆者です。

また、今月に面白い案件をプレスリリースしてます❗️ECプラットフォーム「学校生活」を立ち上げ、2021年度以降の入学生を対象に学生服および学習用品の展開するとのことです👩‍🎓

②住友商事

子会社の住商モンブランを通じ、1950年より白衣メーカー向け生地問屋に始まり現在に至るまで事業を展開しており、現在は、ユニフォーム業界において、生地開発から縫製まで手がけ、確固たる地位を築いています⛰

また、2018年には、RIZAPグループの夢展望社により、子会社の住商ブランドマネジメントが展開しシャツ・ブラウスで有名なナラカミーチェ事業が買収されたことも話題となりました。

③丸紅

子会社の丸紅フットウェアが、前述の米国アウトドアブランドMERRELLのシューズの国内販売であったり、親会社の丸紅が33%出資するラコステのポロシャツ、2017年にはイタリアブランドのFILAのフットウェアライセンスを取得し販路を拡大しています👟

④三井物産

やはり有名なのは2013年の米紳士服ブランドPaul Stuart社の買収ですね。三井物産は1975年より同社製品の輸入事業を開始し、1991年には日本市場向け独占生産・販売権を取得し、買収に至りました(徐々に業態を拡大していった良い例ですね❗️)。

また、2018年3月-2020年3月の中期経営計画では、「リテール・サービス」を「強みを発揮できる新たな成長分野」の一つと定め、中でもファッション・繊維事業では「販売・マーケティング事業」を最注力分野とし、Paul StuartMax Mara等のブランドを中心に消費者との接点を拡充しました。

⑤三菱商事

子会社の三菱商事ファッションを中心とし、欧米ブランドOEM・輸入取引を行なっています。

 昨今では、2017年に、あのユニクロのファーストリテイリング社が、ロシアの子会社を三菱商事との合弁会社にしています。1968年よりロシアに進出し、エネルギーや自動車を始め幅広く事業展開を行なう三菱商事とタッグを組む方が得策と考え、三菱に25%の持分を与えています。 

いかがでしたでしょうか❓いや〜、今回はこれまでのシリーズと比較し、特に知見がない分野であり、知らないことばかりで下調べに苦労しました💦

次回は、ブランドビジネスに携わる社員が、具体的にどういうスケジュールでどういう仕事をしているのかにフォーカスしてお話します。

何か質問がある方はお問い合わせフォームor Twitter🐦よりご連絡を❗️

最後に。

なんか街中で子どもが減ったと思ったら、今年は夏休みが短い様ですね🐱