入社1年目の想い出②

想い出話

どうも、ドチです🐱

今回は、前回記事の続きで、自身の入社1年目の経験談(下半期)をお話しします。読者に総合商社の内定者の方がいらっしゃったら、参考になるかもしれませんね❗️

前回記事:入社1年目の想い出①(上半期)⬇️

10-12月(第3四半期)

貿易実務で最初に携わった業務はデスデマ精算。デスデマというのは、英語のDespatch / Demurrageの略語(=DesDem)で、日本語で言えば早出料 / 滞船料。これは何かと言うと、海上貿易において、船をチャーターする側(=チャータラーと言います)の商社と貸す側の船会社との間に交わす決め事であり、チャータラーは、貨物の積港と揚港において、一定停泊期間内に貨物の積み揚げを行なうことを約束し、その期間内(例えば48時間とか)に荷役を終えられれば、船会社よりお金がもらえ、逆に、超過してしまったら超過した時間に比例した罰金を支払わなければいけない、という取り決め。

膨大なお金をかけ船を仕立て、1件でも多くの商売を取りたい立場の船会社のビジネスモデルを考えれば、1つの商売で船の稼働時間を制限されるのは大きな機会損失であり、一定の許容する停泊期間を超えたら、その機会損失分をチャータラーに払ってもらう、という仕組みだ。まさにTime is Money💰の世界。

DesDemのお金の流れ

では具体的な業務は何かと言えば、大きく分けて、

  1. DesDem計算書の内容確認→船会社との交渉
  2. その計算書を基にした、仕入先/販売先との交渉

の2点だ。どういうことかと言えば、船会社作成の計算書(要は、「10時間超過しました。1万ドル払って下さい」という様なもの)に対し、

「契約書上では、悪天候の場合はその期間を除くと書いてある。したがい、その分の3時間を除けば7千ドルになるハズです(キリッ)」

と返答する等して、支払いは少なくもらいは大きくする為に交渉する。

また、船会社に支払う場合、基本、それが商社の負担にはならない。なぜなら、積荷役/揚荷役をスムーズに行なうのは仕入先/販売先の責任であり、商社はその支払いを全額転嫁出来る仕組みである。つまり、基本的には商社に儲けは発生しないのではあるが、船会社に減額交渉、仕入先には増額交渉をして、上手くやれば利益を出すことが出来るのだ✨💰✨

少し説明が長くなったが、この業務は面白かった✨😄✨目を皿の様にして船会社との契約書を読み込み、「こう考えたら減額出来るはず!」と自分の意志を持って初めて社外の関係者と交渉出来たこと、加えて、交渉が成功した場合は、チームの採算が改善される為、定量的にチームに貢献したことを初めて実感出来たからだ。

ただ、私に限ってそんなに順調な日々が続くわけがない😩ある日、いつもの様に張り切ってデスデマ精算に取り組んでいたのだが、1ヶ月で6-7件の船積があり、非常に忙しくなってきた💦そのせいで、他の業務(例えば与信申請。仕入先/販売先の財務状況等に基づき、どの程度の額までなら購入/販売して良いか会社から許可を取る大事な業務)や、人事部から要求される書類の提出が遅れたりして、各所から注意され始めた💦

極めつけは、「それでも採算に直結するから最優先だ!」と決めていたデスデマでさえ、海外支店の先輩から、対応のマズさに怒鳴られたことだ。簡単に言えば、他案件で額の大きな交渉に時間を使い、超重要取引先(モロッコ🇲🇦)への請求が遅れ、その取引先の対面のパリ支店🇫🇷の先輩から超叱られたというわけだ。

先輩👨‍🦰📞「フザケンナ💢お前と話しても意味ねえ!今、XX(←先輩)に電話替われ!」

ドチ👦(どーーん・・・😞)

この一件から、指導係の先輩と、業務の優先順位を密に相談する様になった、、気がする。

11月になると、新入社員にとって最大の修羅場である「部内忘年会の準備」が始まった。今考えれば大したことはないが、当時は本当にキツかった。。

07:00-09:00
出社。出し物(ダンス)の練習🕺

09:00-12:00
業務。何かしらトラブルあり⚡️

12:00-13:00
ランチ兼打合せ(当日の段取り。座席表とか誰に何をお願いするとか)

13:00-19:30
業務&残業😞💦

19:30-22:00
打合せ&ダンス練習。他の幹事(2年目の先輩&同期に遅れての参加で反感買う・・)

22:00-24:00
残業。海外支店のスタッフから催促受けたり・・📞💢

24:00-25:00
社内飲みの3次会にちょっと顔出す(ちなみに、、私、下戸ね🤪🍺)

って感じの日々。このご時世では考えられないスケジュールだʅ(◞‿◟)ʃ

1-3月(第4四半期)

1月、国内に取引先をもつ隣の課や他部署の人たちが、終日、忙しそうに年始の挨拶詣出で外出しているのをうらやましく思っていたことを覚えている。基本、三国間貿易のチームは国内に取引先はなく、出張等の用事が無ければ本社で座っているだけなのだ😩

指導係の先輩は、中国🇨🇳、インド🇮🇳、ドバイ🇦🇪、ブラジル🇧🇷、モロッコ🇲🇦、チュニジア🇹🇳!?等、それこそ月に1-2週間は海外出張に出ていた。

この頃にはある程度デスデマや与信申請、その他依頼される業務には慣れてきたので、そんな先輩を横目に見ながら、

👦(俺も早く海外出張に行きたい!!✨✈️✨)

と思い、次の新しい業務に挑戦したいとメラメラしていた🔥

そんなある日、突然、指導係の先輩から言われた。

👱‍♂️「ドチ、お前今日からこの船積案件のオペレーション、全部担当してみな!」
👦「え!?僕がですか!?が、頑張ります!!」

台湾🇹🇼で積んで、中国🇨🇳に運ぶ物流の、船会社対応全般を担当することになったのだ。キター0(≧∇≦)0──♪

👦(え、え、ってことは、台湾で積荷役する時は立ち会える!?初出張か!?!)

と浮き足立っていた✨

まずは、船をチャーターしなければならない。もう仕入先🇹🇼と販売先🇨🇳との値段交渉は先輩が済ませており、あとは自分の船会社との運賃交渉でこの案件の売差(= 販売値 – 仕入値 – 運賃)が決まる、という超重要な仕事だ💪

船ブローカーを通じて、船会社と交渉。14.5ドル/トン(運賃交渉は基本、左記の様に単価で決める)より小さい運賃を取れれば、利益が出る。最初にどんな希望額を提示したかまでは正確に覚えていないが、12ドル/トン程度であったと思う。

ところが、船会社から提示されたのは15ドル/トン。

⛴「市況がそんなもんだ。12なんてあり得ない」

との主張。このままでは赤字だ。上司からは、赤字じゃなければ決めて良いと言われている。

👦📩「じゃあ12.5ドル/トンでどうか?」
⛴📩「14.5ドル/トンなら今決めても良い」

議論は並行線。13ドル/トンという数字を提示し先方の譲歩を待つべきか、と色々考えていたところ、指導係の先輩から指摘を受けた。

👱‍♂️「なぜそんなに簡単に譲歩する?ロジックもなく数字だけ言い合ってたら、先方に『こいつらどんだけ余裕あるんだよ』って足下見られるだけだぞ?こちらが譲歩すれば相手が自動的に譲歩するなんて思うな。どうしたら相手が『少し下げてでもこの会社と商売しておいた方が良い』って思う様になる?いくらでも方法あるだろ?」

・・・そうか。ただ、、何て言えば良いか分からん。。結局、先輩からヒントをもらいながら、①本件は単発の商売でなく、年に複数回船積があるから、その都度まず声を掛けること、②物流業務に携わる他部署の担当者を紹介すること、の2点を相手に約束し、先方から更に1ドル/トンの譲歩を取り付けた。交渉は15:00に始まったが、合意したのは20:00頃になっていたか🌕

初めて主担当として船を決めた時の運賃、13.5ドル/トンという数字は今でも忘れていない。

ま、結局、台湾出張は行かせてもらえなかったけど・・・😄💦

いかがでしたでしょうか❓いや〜懐かしい✨

「イメージが膨らんだ‼️」という様であれば嬉しいです。

最後に。

あれから約10年、結局、台湾🇹🇼には仕事でもプライベートでも行ってないや🐱💦