【総合商社】緊迫する国際情勢での仕事の進め方
どうも、ドチです🐱
今週はひさびさにゆったりとした週末をすごしました♨️
秋は1番良い季節ですねぇ。暑くもなく寒くもなく、花粉症もないし🤧
さてさて、今回の記事なんですが、シニアウケ(⁉️)を狙ったすこ〜しマジメ系な記事です📄
22年2月にロシア🇷🇺によるウクライナ🇺🇦侵攻が始まり、
今月初旬にはイスラエル🇮🇱が、パレスチナ🇵🇸のハマスによる奇襲を受け、戦争宣言をし、
一方で我が国に関係するところで言えば、先週末には日本の非鉄専門商社の中国人スタッフが中国🇨🇳当局から拘束された、という話ありと。。
読者さんのご想像のとおり、これらはすべて我々の仕事に影響が出てくるんですね。
これらの国際情勢に緊迫化が与える商売への影響に関して、
・具体的にどんな影響が見られる?
・どんな議論になってる?
・営業現場はどんな苦労を強いられてる?
などを、なるべくわかりやす〜く解説するのが今回の記事になります💪
ただし、もちろん具体的な内部情報などはもちろん記載できません🙅
なので、フンイキを感じて(そういうもんなのね〜🤔)って思っていただけると幸いです✨
それでは早速見ていきましょう🚀(記事の長さ:少し長め🙇💦(3-4分程度))
目次
- 具体的にどんな影響が出てるか❓
- 内部では誰がどんな意図で動いてる❓
- 営業現場の苦労は❓
1. 具体的にどんな影響が出てるか❓
まず、すでにニュースでも大々的に報じられたわかりやすいやつはロシアのLNG案件ですよね☝️
三菱商事と三井物産が、当時、オイルメジャーのRoyal Dutch Shell🐚(シェル)とロシア国営企業のガスプロムと一緒に、
天然ガスを掘ってLNGにして販売するっていうプロジェクトでした。
両商社にとって高い利益・キャッシュを生み出す事業であっただけにとどまらず、
日本のエネルギー安全保障の観点でもとっても大切な資源プロジェクトという意義がありました。
要するに、
「資源のない日本に、(中東という、少しキョリがあり依存度の高い地域から持ってくる資源とは異なり、)すぐに持ってこれる貴重な資源🪔」
って話です。
ところが、ロシアによるウクライナ侵攻が22年2月24日に行なわれた4日後の2月28日、
シェルが本プロジェクトから脱退を表明。
その後、両商社もプロジェクトへの関与の継続にかんして、
民間だけでは手に負えず、経産省もまきこんで対応してきた、
そんな話でした🖐
詳細は以下の過去記事をまず見てみてください⬇️(ちなみに、、この記事は当ブログの中でもベスト10に入るPV数👀✨を誇ります。・・チョットナガイケドネ💦)
まあ、やっぱこういう記事が「総合商社っぽい🏢」ってウケやすいんですかね。
こういう、事業に直で影響が出てくる話はわかりやすいですよね。
さて、ここでちょっとだけ世界の構図を俯瞰してみてみましょうか👁
過去、冷戦時代は、アメリカを中心とする資本主義陣営と、ソ連を中心とした共産主義を目指す社会主義陣営の対立があったわけですね⚡️
ソ連は弱体化・解体しつつも、反資本主義/反米のイデオロギー的なものは残り、中でも社会主義市場経済を導入し力をつけた中国が台頭してきたと🇨🇳
ということで、大きな構造としては「アメリカ🇺🇸 vs 中国🇨🇳」なわけですよね。
(ここからだんだん我々への影響の話に入っていきますね)
先ほど述べた構図から自国を守るため、アメリカは反米国家・地域への経済制裁をおこなってます。
その国・地域が絡む企業・要人が関係/所属する組織への経済的支援・取引などの関与は、アメリカ合衆国として禁ずるってワケです🖐
すっごくカンタンに言えば、そういう組織にお金が回ることで国家の脅威になるリスクを防ぐ施策を徹底するってことです。
品代を払った相手先企業が、アルカイダなどの反米テロリストグループへの献金団体だったら・・☠️
間接的にテロリストへ資金を提供してるとみなされますよね⚔
そういうのを許さない法令をつくってるんですね。
👧「ここまで聞いてもまだ商社とのつながりがワカンナイんですが・・」
ですよね。
つまりですね、アメリカから目を付けられてる国・地域が絡む企業・要人と取引してしまうと、極端な話、
- アメリカの企業との取引ができなくなる
- 取引のみならず、アメリカの銀行など、商売の決済に必要な金融機関との関係も断たれる
などのリスクがあるわけです。
👧「まあでも、、大国かもしれないけどアメリカだけなら、、伊藤忠とかって中国への投資額が大きいっていうし・・」
またまた過去記事のおさらいですみませんが、、以下の記事に書いてある通り、
各商社の、アメリカでの売上や利益の規模って、バカにならないわけです🖐
これを見ると、、フツー誰もそんなリスクをおかしたくないってなりますよね❓
👦「・・・でも考えるべきは『アメリカにどう思われるか?』だけでいいんですか?」
まさにそのとおりで、EUや、国際的な公的機関(国連とか)による制裁も強化されています。
児童労働が横行する国での、危険をともなう鉱山開発とか、船の解体現場とか、お金儲けの機会があれど、
そんな商売に手を出してたら、reputation(評判)を落とすのみならず、世界の実業界から干されるわけです🖐
2. 内部では誰がどんな意図で動いてる❓
ここまででも少し長くなってしまいましたね💦
本章はサクッといきましょう💨
まず、読者さんの想像されるとおりなのですが、やはりこう言う経済制裁関連の話は、
総合商社の中ではコーポレート部門で専門組織があったりします☝️
reputation riskって、やはり会社単位で行動を制限されてしまうわけですから、
それぞれの営業部門・本部がそれぞれに勝手に情報を集めて、
本部長👴「これくらいOKっしょ✌️Go Go‼️」
とか、そんなノリで判断できることじゃないんですね。
ということで、全部門・本部の商売/取組みを見ているコーポレートの組織が、最新の情報をつねにupdateし、
🏢「何をしちゃダメ/誰と付き合っちゃダメ/内戦が勃発したZ国および近隣諸国の企業とは、取引はもちろん、接触の際にも事前相談を・・!🙅」
みたいな情報をたえず全社に向けて発信してるんですね☝️
具体的に中心となるコーポレートは、
- コンプライアンス関連部署
- 法務部
- 経営企画部/業務部
あたりでして、こういう部署により組織される専門チームが、ふだんから、海外支社・支店と協力して、
- OFAC(米国財務省外国資産管理室🇺🇸)による制裁法令
- 国連安全保障理事会(安保理🇺🇳)の決議事項
- 中国全国人民代表大会(全人代🇨🇳)でのアナウンス
などの内容を、社外の弁護士・コンサルを起用したりして、正確に解釈して、
🏢「このビジネスはOK🙆♀️ / あのビジネスはダメ🙅 / そのビジネスはグレーだから、当面ちょっと様子見💦」
などと営業部門と個別に話をしてるんですね。
3. 営業現場の苦労は❓
さて、最後に、実際に営業部門にいる我々には、日々働く上でどういう影響があるのかについてふれましょう👍
たとえば、海外事業投資案件☝️
案件形成段階の1st stepとして、(買収を検討する企業(=Y社/トルコ🇹🇷、としましょうか☝️)と秘密保持契約を結んだのち、)デューデリジェンス(DD)ってものをやるんですけど、
そのDD中に、Y社の取引実績をこと細かに見てみたら、イラン向けに電子部品の輸出などがありました。
営業部門としては、Y社を、商品戦略上も有望な投資先として見ており、短期間で集中的にDDを終わらせて交渉に入りたかったのですが、
コーポレートへの事前相談を余儀なくされ、、
🏢「Y社の電子部品が解体され、その部品の一部がイランの核開発に使用される疑いあり」
みたいなアドバイスを受け、本案件が頓挫(→他国の投資家に買収される)🤷♀️
的な。
上記はフィクションなのですが、こういうことは本当に日々起こってます。
物流案件でも、
- 輸送に使用する船の所有者がキューバの会社だった🇨🇺
- 船の船員の一部が(海賊被害を多く出す)ソマリア国籍だった🇸🇴
などが、契約締結後に判明し、船会社と裁判所で大もめ💢💪
とかとか。
いろいろと面倒なんですよ💦
日々働いてる中で、誰かが世界情勢の講義なんてしてくれるわけでもないので、
商社パーソンの一人ひとりが、こういう観点でアンテナを張って気をつけていないとダメなんです。
👱♂️「いや、私、知らなかったんですよ・・・」
じゃすまされない類の話なんですよね🖐
自分の評価が、、のみならず、会社全体に取引の制限が、もしくは日本企業への制限が、
ひいては日本の外交問題に発展するリスクすらあるんでね。。
こんな感じで、日に日に商売がやりにくくなってるんです🌏💦
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いかがでしたでしょうか❓
たまにはこうしてマジメな記事も書きますので、投資家や他業種の社会人の方々もご愛読いただけるといいな〜って思ってます🙇
引き続きよろしくお願いします❗️