【総合商社】25年3月期上半期決算分析 ②三井物産
どうも、ドチです🐱
さて、前回記事からスタートした、5大商社各社の上半期決算分析シリーズですが、
2回目の本記事では三井物産を取り上げます✨
前期は24年ぶりに通期純利益で業界No.1に躍り出てましたよね💰
本記事ではそんな三井物産の決算資料の内容の注目点を挙げ解説していきます✏️
それでは早速見ていきましょう🚀(記事の長さ:少し長め🙇💦(3-4分程度))
※なお、本記事で引用されている情報は、断りがない限り全て同社のHP上に記載のものです👍
目次
- 上半期決算主要数字まとめ💹
- 中期経営計画内容📃
- 注目すべき点🔍👁
1. 上半期決算主要数字まとめ💹
さて、まずは同社の決算内容サマリーを見てみましょうか。
三菱商事に次いで、これまたすごい数字ですね💰💰💰
- 上半期累計純利益は4,118億円。進捗率は折り返し地点で50%未達の46%なのにぃ〜・・、なんと、通期予想を9,200億円に上方修正💰👏
- 基礎営業CF(※)は5,381億円で三菱商事超え‼️
- 配当は50円/株を維持。一方、追加の2,000億円の自己株買い決定(正確には24年9月11日に発表済みでした)
(※)三菱商事の営業収益CFと同じ定義
かなりノってますね〜三井物産✨
学生👦「え、でも、純利益だけくらべると、三菱商事より約2,000億円も低いっすよね❓2,000億円の差ってヤバくないですか❓」
ふむ。
一見そう見えるとは思います🖐️
ただ、三菱商事の決算内容をしっかり読まれた方ならわかると思いますが、
三菱商事の6,181億円には、目立つ一過性利益が含まれます🔍
- ローソンの持分法適用会社化に伴う再評価益
- 豪州原料炭事業炭鉱売却益
- 日本KFCホールディングス株式売却益
などを始めとする、その場かぎりで出てくる、実力値とは言い難い利益のことですね☝️
それらを合計すると2,730億円にものぼります💰
学生👧「え、じゃあ、『実力値』としての純利益って、3,451億円(=6,181億円 - 2,730億円)だけってことですか❓三井物産より実質的に少ないと⁉️ジャ、ブッサンメザソウカナ・・」
まあそういうわけでもないんですよ🖐️
例えば、たしかにローソンの再評価益は、会計処理の都合上出てくるものですが、
原料炭とかは、カンタンに言えば、炭鉱の権益を安い時に買い価値を付けて高く売ってるから利益を出してるわけで、
これは立派な実力値に他ならないですよね✨
なので、実は三菱商事も、
♦️🏢♦️「資産リサイクルは今後も継続的に行なうので、『一過性損益』という整理はやめます」
的なお断りの一文が、決算説明資料に入りはじめてます✏️
ちなみに、上記は三井物産も同様です。
🏢「25年3月期より、恒常的資産リサイクル損益を基礎収益力へ分類する一方、〜」
と買いてあるのです☝️
それはおいといて、より「実力値」を測るモノサシと言っても過言ではない基礎営業CFは三菱を超えてます🚀
ちなみに、
基礎営業CFが何を意味するかについての解説が載ってる過去記事を紹介しておきますね(特に、業界の現役社員さんは必ず知っておいた方がいいです⬇️)
2. 中期経営計画内容📃
さて、前回記事で紹介した三菱商事は、今期が中計最終年度でした。
一方で、三井物産は、昨年の23年5月に新中計を発表してました📊
ということで、今回の上半期決算はちょうど折り返し地点の成績という視点で見てみる必要がありそうです👍
さて、本章では、キャッシュフローにしぼってみようと思います💰
ということで、中計資料からこちらのページを見てください👇
上記は、物産の「向こう3年間のキャッシュの収支計画」を意味するキャッシュ・フロー・アロケーションです。
超カンタンにいうと、向こう3年間で、
=in=
- 本業の営業活動でキャッシュ2.75兆円稼ぎます(≒基礎営業CF)💪💰
- 資産・事業を売ってキャッシュ0.87兆円稼ぎます(≒資産リサイクル)💪💰
=out=
- 今頑張ってる事業の維持に0.57兆円キャッシュ使います💪💸
- 今後さらに儲かる事業のタネまき(とりあえずやるって決めたもの)にキャッシュ1.17兆円使います💪💸
- 株主様へ配当したり、株価を上げる努力に0.75兆円使います💪💸
- あとは新規投資だったり、さらなる株主様への還元で1.13兆円使います💪💸
って話でした。
で、実際、このたび折り返し地点にきたわけですが、、
どんな感じだったのか、今回の決算資料を見てみると、、
・・・見にくい💦
ちょっと以下に整理してみます👇
こうしてみると、、
めちゃくちゃ順調‼️
であることがわかります。特に、キャッシュインの資産リサイクル💰
また、キャッシュアウトも総じて順調に見えます👀
三菱商事のメッシュと違いこそあれど、、負けず劣らずですね🔥
こちら、再度よ〜く見てみると、中計発表時点の26/3期の基礎営業CFは1兆円と純利益9,200億円になってます。
今回の上半期決算で、純利益を9,200億円に上方修正したのは、
🏢「中計の数字を1年前倒しで達成します」
という意志表明であることがわかりますね🎯
3. 注目すべき点🔍👁
今回の三井物産の上半期決算、いつも資源が注目される同社ですが、
非資源のとあるセグメントに目がいった方もたくさんいらっしゃるのではないでしょうか❓
・・・そう、「機械・インフラ」セグメントです💡🚢✈️
ちょっと見てください⬇️
右の列の修正後通期予想🔍
三井物産の金属資源に肉薄する勢いです🏃♀️💨💦
そもそも、機械・インフラセグメントってどういう事業内容なのでしょう❓
ということで、セグメントの主な投資先一覧がこちらです👇
カンタンに言うと、
- 電力
- ターミナル
- 自動車
- 船/飛行機
とかを取り扱うセグメントですね。
前社長で、現会長の安永氏が本部長を務めたモビリティ本部もまさにここ🚌
長きにわたって同社に利益貢献をしてきた、インドネシア🇮🇩の石炭火力発電事業のパイトン発電事業の売却益(約440億円)が、
今期の機械・インフラセグメントの躍進の大きな一助となったんですねぇ〜🚀
少し調べてみると、、
このパイトン発電事業、1990年代初頭、インドネシアが電力危機に直面していた時に、同社が参画しました。
当時、インドネシアの国家財政がかなり苦しい状況で、国家の予算から公共事業への配分は抑制されていた様です。
そこで、外国資本を導入して民間で電力開発事業(=IPP事業)を行なった、という経緯あり、同国にとっての第1号案件だったのです💡
三井物産がインドネシアに出張者を最初に送ったのが1901年、そこから1世紀以上にわたって、
同国と深い関係を築き、このたび、歴史あるこのパイトンをタイ・インドネシアの企業に売却したのです。
実は、この売却にはサイドストーリーがありましてね🖐️
脱炭素取組みの一環として、三井物産が2030年までに再生エネ電源比率を30%以上に上げる目標を立ててましたが、
このパイトン発電事業の売却をもって、30%以上を達成しました🎊
国の発展に貢献し、しっかり儲けて、そして脱炭素化に向けて次のステージに進む、
その意味でもとても良い資産リサイクルであったと言えるでしょう✨
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いかがでしたでしょうか❓
引き続き業界のリアルを伝えていければと思ってます🐱
くり返しですが、、
ちょっと今年に入って記事更新頻度落ちちゃってすみませんです🙇♂️💦
なんとかペースつかみつつあるので、創意工夫して時間を作り、興味を持ってもらえるような記事を書いていきます🔥
ちなみに次回は伊藤忠商事の分析記事をお送りする予定です👍
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