海外での有事のリスク未然回避と対応法
どうも、ドチです🐱
今回は、「海外滞在中の有事のリスク未然回避・対応法」を解説していきたいと思います。
海外での永住者及び長期滞在者(=3ヶ月以上の在留者)の数は、平成元年の約60万人から、平成の30年で2倍以上となっています。
実際、私の勤め先の総合商社業界に限らず、多くの日系企業では海外市場での利益取り込みを狙い、社員の海外派遣の機会を増やしています。また、相続税を始めとする「税金対策を主とした移住」なども増加傾向にあることも背景であり、市場縮小および超高齢化が加速する日本の状況を鑑みれば、今後も一定の割合で増加していく流れと言えるでしょう。
ただし!基本的に、海外は日本と比較し危険度が高いです(言うまでもないですが💦)🔥
その為、多くの企業では、海外赴任前に研修を設けたりしますが、特に危険な地域への渡航予定者は、セキュリティ専門会社主催の研修へ派遣したりします。
私も駐在前に、ある海外のセキュリティ会社が主催する研修に参加し、危機対応について短期間の実践訓練を行なった経験があります。
本記事では、その経験での学びを一部ご紹介します❗️
海外旅行/出張などで、万一、有事に遭遇してしまったりした場合には是非参考にして下さい👓
では早速見ていきましょう!
目次
- Kidnapping(誘拐)
- Journey Management(安全な移動の確保)
- Conflict Management(護身術等)
1. Kidnapping(誘拐)
2019年の全世界での誘拐発生件数の割合率は以下表の通りです。各地域内でも発生国に偏りはあるにせよ、最も日系企業駐在員の多いであろうアジア地域が2位となっている点は身が引き締まりますね・・。
順位 | 地域名 | 割合 |
1位 | Americas(北中南米) | 38% |
2位 | Asia Pacific(アジア・オセアニア) | 27% |
3位 | Sub-Saharan Africa(サハラ以南アフリカ) | 24% |
4位 | Middle East & North Africa(中東・北アフリカ) | 9% |
5位 | Europe & CIS(欧州・旧ソ連) | 2% |
補足として、
誘拐期間:1週間以内の解放が80%、4週間以上続くケースが6% 被害者国籍:93%が現地人、7%が外国人
というデータがあります。「治安が悪い国ではお金持ちの外国人狙いだろう💰」という大方の予想に反するものですよね。
以下は、訓練時の座学での聴取事項です✏️💦
- 犯行動機は主に①政治・宗教的影響力の向上、②金銭獲得の2 種類がほとんど。政治・宗教的影響力の向上が目的の場合、被害者の国籍や信仰等により扱われ方が大きく異なる。②の場合、95%以上は生きて帰ってくるとのこと。
- 報告される被害者の内、9割以上が現地人である背景は、外国人と比較してセキリュティ意識が低く、また、警察やメディア等の注目が集まりにくい為。
- 未然防止策は、①必要以上に目立たない格好でいること、②毎日ルーティン化してしまいがちな行動様式を、意識的に変えること(→ルーティン化すると、計画を練られやすくターゲットになりやすい為)が大事。
- 万が一捕まってしまった場合、①自身で交渉を試みないこと、②意識的に落ち着くこと、③健康・清潔を保つこと、が大事。
2. Journey Management(安全な移動の確保)
これは現地滞在者に限った話でなく、出張者も対象となり得る話ですので、万が一危険地域に出張する(旅行する⁉️)こととなれば参考にして頂ければと。
- 危険を未然に防ぐべく、先ずは往訪国・地域の情報収集が必須。必要書類や必要手続き等をネット、領事館、現地の旅行代理店、(必要に応じて、自社の取引先の往訪経験者への聴取)等を行なう。
- 現地ホテル着後、面談場所へのルート設定等では、セキュリティ会社との綿密な事前打合せを実施し、有事に於ける代替ルート・集合場所の決定、軍・警察の服装確認(*1.偽装し襲撃される例もあり)等を行ない、移動中も密に状況報告(to 所属組織安全担当)することを心掛ける。
- 尚、万万が一、武装勢力に襲撃され銃撃戦になった場合、車の陰に隠れることなるが、その際は車の前部(エンジン積載部分)の裏に隠れることが肝要。基本的にはエンジンに1番硬い合金等が使用されている為。
- また、銃器で狙われた際、隠れる場所もなく逃亡せざるを得ない状況になってしまった場合は、必ず「ジグザグ」で走行(*2)すること。これにより的中率を大幅に減らすことが出来る。
(*1)参考までに、防弾チョッキは、実は「色」で着用する人間がどういう身分・立場かを示している。下図の青は「客人(=非武装者)」を表すとのこと
同業他社の友人が、数年前にイラクを訪問してましたが、陸路で移動した際は前後装甲車に挟まれる形で3列縦列で移動し、やはり車内では青色のチョッキを身につけた、と言ってました。ガクガクブルブル(; ゚д゚)
(*2)イメージ👇
3. Conflict Management(護身術等)
- 単独での行動を避け、可能な限り複数人数で行動する。万一襲撃を受けた場合、両手を挙げ一定の距離を保ち、無抵抗な態度を見せること。
- また、襲撃された際、相手が単独に見えてもパートナーが潜んで監視しているケースもあり、Fightは最終手段との認識を持つこと。
- 抵抗せざるを得ない状況でも、顎、局部、関節等を狙い、隙が出来たらすぐ逃げることが必須である。
いかがでしたでしょうか❓頭の片隅に入れておくだけでも、有事に巻き込まれてしまった際に全然違うかもしれません。
何か質問がある方はお問い合わせフォームor Twitter🐦よりご連絡を❗️
最後に。
今後も駐在先で「実践の場」に出会さないことを祈る・・・🐱