【総合商社】名作スラムダンクに例える各商社第2四半期決算結果
どうも、ドチです🐱
皆様、お待たせ致しました。今回は、「スラムダンクに例えるシリーズ」の第二弾として、第2四半期(=2Q)決算発表を終えた各5大商社の現状争いを、不朽の名作バスケ漫画に例え、ストーリー仕立てで解説していきます。
本日発表の住友商事の決算をもって、各社の途中経過が出ました!折り返し地点を迎え、現状、各商社どの様な状況なのかを、例によってスラムダンクの登場チームに例えながらお伝えするものです。
第一弾記事⬇️(20年9月20日)
さて、第一弾のおさらいですが、各商社のチーム設定は、
- 三菱商事 → 山王工業
- 伊藤忠商事 → 湘北
- 三井物産 → 翔陽
- 住友商事 → 陵南
- 丸紅 → 名朋工業
でしたね。今回も同様の設定で進めさせて頂きます。
こういうエンタメ系な記事を通じ、多くの世代の方にフランクな形で各総合商社を知って頂ければという想いでいっぱいですね✨ただし、毎度の如く、内容は完全に私の偏見に満ちてますのであしからず😄💦
それでは早速見ていきましょう。「さあ、いこーか」 ⛹️♂️💨
※尚、本記事に使用される全ての画像は、SLAM DUNKからの引用です。
目次
- 三菱商事
- 伊藤忠商事
- 三井物産
- 住友商事
- 丸紅
- オマケ
1. 三菱商事
まず、王者三菱商事の2Q決算は、
- 4-9月の累計利益は867億円で、通期業績見通し2,000億円に対する進捗率は、半分以下の43%
- 内、市況系(市況に利益が左右される事業)が51%とほぼ巡航速度に対し、事業系(市況系以外)が41%と遅れ気味
という状況。う〜ん、ナントモ🤔
さあ、この内容を細かく見ていこう。
何と言ってもエースが苦しんでいるのがデカい。同社の稼ぎ頭たる金属資源が前年同期比▲545億円の減益だ。。
「もう俺らの相手はGAFAしかねぇ」
渡米を見据え慢心してきた結果、今期、総合商社トップの座を奪われるピンチに陥っているのだ。
加えて、筆頭株主を務める三菱自動車の連結取込分で自動車・モビリティで大きな赤字を出していることが、同社決算へ大きなインパクトを与えてしまっている。
筆頭株主に対して、「兄ちゃん」という表現はどうなのか。そして「ゴメン」で済めば警察なんて要らない。
ついに王者にも焦りが出てきた様だ。もはや日系企業は眼中になかったはずだ。全国一鍛えてきたハズなのに、同業他社の伊藤忠からの突き上げが凄まじい。
・・・今更感が半端ないが、そうも言ってられない。伊藤忠を徹底してマークだ。さもなければ、ひょっとして喰われるぞ。
2. 伊藤忠商事
伊藤忠商事の2Q決算は、
- 4-9月の累計利益は2,525億円で、通期業績見通し4,000億円に対する進捗率は63%と好調
- 前年同期比では主要な指標は総じてマイナスではあるが、7-9月期単体での1,477億円は過去最高益!
- 非資源比率は81%(前年同期比+3%)!
という状況。乗りに乗ってる伊藤忠!といったところ✨
さあ、細かく見ていこう。
注目すべきは、多種多様な分野がコロナ禍で悪影響を受けている状況下、同社には1つも赤字のセグメントがないという点だ。全社員が必死で汗をかき、自分が決めるという覚悟で戦っているからに他ならない。
「おめーのヘマはもともと計算に入れてる・・・」
一過性損益として、ファミリーマートでの▲125億円の減損が発生するも、それは想定内ということだ。事実、その他売却益がカバーする形で495億円と大きくプラスになっている。
ファミマを管轄する食料カンパニーが「ど素人」だとは思わないが、同じ会社の社員とは言え、辛辣な叱咤激励をするのも「野武士集団」の文化か。損を出した者の心に火がつき、反骨心で利益を出す。そんな好循環が出来上がっている様にも見える。
ここまで順調だと、気になるのは、同社の不安要素として挙げられる「中国リスク」だ。出資先のCITICの取込み益はどうなっているのだろうか?4-9月累計取込益は347億円であり、通期予想の620億円に対して進捗率は56%!不安要素どころか、稼ぎ頭ではないか。
ただし!!CITICの株価が20年1月の10.42香港ドルから5.78ドル(同年11月4日決算発表時点)まで下落。当然、減損のリスクは高まるわけだ。
CITICの株価のリバウンドが伊藤忠1強時代を築く上での条件なのか。超強力リバウンドマシーン・ゴリの猛特訓を受け、磐石な収益基盤をさらに盤石にさせ王者を狙う。その姿に死角はない。
3. 三井物産
三井物産の2Q決算は、
- 4-9月の累計利益は1,100億円で、通期業績見通し1,800億円に対する進捗率は61%!
- 基礎営業CFは期初予算4,000億円に対し、既に進捗率69%となり、4,800億円(+800億円)に上方修正!
- ところが、、決算発表後に株価下落。。!?
という状況。ある程度順調そうに見える三井物産も減損の可能性ありや!?
細かく見ていこう。
まず目がいくのは、湘北戦後半、ついにコートに立ち次々に得点を重ねていくエース・藤真のプレーだ。肘打ちをくらい怪我をした花形が本調子を出せない今、ほぼ藤真1人で頑張っている姿は、まさに市況に後押しされた収益柱の鉄鉱石事業が、原油・ガス・石炭の市況下落(石炭は減損も)による減益をカバーする姿と酷似する。
結果、「基盤事業」として掲げられた金属資源・エネルギーのカテゴリーの通期計画が1,200億円の据え置きされており、藤真が全てを支えていると言っても過言ではないだろう。ここは他の選手の奮闘に期待したい・・。
・・ダメだ。。他セグメントは泣いている。。鉄鋼製品や生活産業は鋼材や食品・ファッション関連の需要減により下方修正が入ってしまった。。クソ、俺たちは結局会社の力になれないのか?資源におんぶに抱っこで良いのか!?
そんな中、地味に意地を見せているのが化学品だ。トレーディング事業が堅調ということもあり、4-9月で54%の進捗率だ。
「ボックスワン」が何を意味するかは不明だが、どうやら会社に直訴して期首予算200億円から250億円への上方修正を申し出ている様だ。頼もしい。その気概は一体どこから来るのか!?
なるほど、やはり伊藤忠への対抗心か。それにしても、現時点で1,425億円もの差があるのだ。これは容易に巻き返せる数字ではない。
そうこなくては。まだまだ三菱・伊藤忠の2強にはさせない、という並々ならぬ反骨心が窺える。
4. 住友商事
住友商事の2Q決算は、
- 4-9月の累計利益は▲602億円で、通期業績見通しは修正なしの▲1,500億円で据え置き
- 他方、4-6月の赤字▲411億円に対し7-9月単体の赤字額は▲191億円と改善しており、一過性損失を除いた基礎収益は上半期で+750億円(4-6月:+260億円、7-9月:+490億円)と基礎収益に改善が見られる
という状況。ある程度底が見えてきた感があるのだろうか。
細かく見ていこう。
4-6月の第1四半期で▲550億円の減損を出したマダガスカルニッケル事業。少し寂しいが、リングのないストリートからの出直しだ。
商社で唯一、金属資源事業でオペレーターシップを取っている住商、いつかは必ず花が開く。その時まで地道に練習を重ねるしかない。ところで、、同社の大きな減損はこの案件のみで済むのだろうか・・・。
7-9月で、豪州インフラで▲250億円、インドネシア自動車金融で▲150億円等々の減損案件が続々と出てきてた。。他社相手に呑気に「ファウル・トラブル」と言っていたところ、思いっきり自社に「減損トラブル」が跳ね返ってきてしまっている。今期はグッとこらえ、膿を出し切るものと割り切るしかない!
うーむ。それにしても気になるのは、やはり得点力が仙道・魚住に集中しまっている点だ。全6セグメント中、黒字となるセグメントはメディア・デジタル、生活・不動産の2つのみとなっている。このオフェンス力を高めていかなければ上位は見えてこない。。
その通りだ。今期の業績が5年後、10年後の未来を決めるわけじゃねぇ。
5. 丸紅
丸紅の2Q決算は、
- 4-9月の累計利益は1,017億円で、既に達成した期初の通期業績見通しを1,000億円→1,500億円と上方修正!
- 一過性損失を除いた実態純利益(4-9月)は1,050億円。結果、現状では伊藤忠、物産に次ぐ第3位と健闘中!
という状況。唯一の通期純利益上方修正は今後の業界順位を変えていく布石と言えるのだろうか。
細かく見ていこう。
やはり電力強し。コロナ禍にあっても電力・インフラ事業は前年同期比増益と、安定した収益力を見せている。
「(コロナがあると)わかってても止められない」
それが他ならぬ「丸紅の電力事業」の収益力なのである。
だが、やはり他商社同様、資源事業はコロナ禍のあおりを受けてしまっている。好調な電力・インフラを横目に、コロナの影響により前年同期比▲170億円の減益となっている。主担当者は上司からの呼びかけも耳に入らない程の落ち込みようだ。。大丈夫、また這い上がろう。
現時点で第3位と健闘中だからといって、三菱商事の上に立っているからといって、天下のスリーダイヤを「あの赤いのは?」呼ばわりはいかがなものか。何だったら自分たちだって赤い(紅い)ではないか。
ここは最後まで奮闘し、修正済の通期業績1,500億円ですら保守的だったと感じさせる様な結果を出し、堂々と上位に食い込んでもらいたい。
6. オマケ
柔軟しながら各社の株の買い増しを検討中のバフェット氏。
Fin.
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いかがでしたでしょうか❓次回は第3四半期決算ですかね😄🏀
最後に。
良い週末をお送り下さい🐱✨