【総合商社】情報収集のプロ!商社マンの有益な情報の仕入方法②

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どうも、ドチです🐱メリークリスマス🎄✨

今回は、前回に引き続き「商社マンの有益な情報の仕入方法」と題して続編記事を書きました✍️

さて、前回記事では、「誰でもアクセス可能な情報/ニュースを、いかに有益なものにして利益に繋げるか」が商社マンにとってとても大事である、という話をしました。

ただ、やはりそれだけでは情報収集のプロとまでは言えませんよね🙅‍♀️商社マンがプロと呼ばれる所以、それはやはり「現場」での聴取能力にあります。

ありがちな表現ですが、どれだけ文明が発達しようと、現場に行かなければ手に入らない有益な情報というのが存在するんですよね。

・・ということで、今回は、2つの実話に基づくエピソードを紹介しながら、現場での情報収集にフォーカスして説明します✨

早速見ていきましょう🚀(記事の長さ:普通(3分程度))

目次

  1. 某アジア内陸国向け液物化学品販売案件
  2. ロシア・クリミア侵攻による欧州原油調達先の変化

1. 某アジア内陸国向け液物化学品販売案件

これは同僚(👱‍♂️)のAさんの経験談を基にした話です。化学品関連の本部に属している東南アジア某国(B国)の駐在員である彼が、同国のとある新規取引先の工場へ、液体の化学品商材Cを複数年にわたって供給する、長期販売契約を締結しました🤝

締結に至るまでの経緯で、現場での情報収集がいかに大切だったかを紹介します。

その新規取引先は欧州に本社を置くメーカーD社でした。業界では中堅クラスの規模感で、世界のあちこちで工場を持ち製品を作っては販売する企業です🏭

その企業の本社がある国の現地支店スタッフのEさん(👵)は、長く当社に勤めていらっしゃる超ベテランであり、所属する資源・プロジェクト課の看板社員として、業界では有名人。彼女は、高齢の割にフットワークが軽く、毎日色々な企業の担当者と話をするのが日課でした。

ある時、彼女が、D社の担当者と話した際、B国で動かすプラントを他社に販売する方針で動いているという情報を入手しました。さすがEさん!

ただ、Eさんが素晴らしいのはここからでした✨好奇心の赴くまま、その工場で使用する設備・機材に加え、操業に必要な資材等の情報を入手してきたのです(→私と同業の方には分かると思いますが、海外支店のローカルスタッフで自発的にここまで動ける人は少ないです)。

その情報が社内を巡りめぐって、Aさんの耳に入ります👂

👱‍♂️(工場が新規所有者へ引き渡される前に、現在のオペレーションに関する資材の調達先の話等、工場勤務者から聴取出来るかもしれないなぁ・・)

そう考えたAさんは、早速、車で4-5時間離れた工場を訪れました。

聞いてみると、、知らない情報が出るわ出るわ💰✨ Aさんは、工場担当者がいろいろ喋りやすい状況を作るべく、事前に、全ての化学品資材の調達先がどこであるか仮説を立てて、それを担当者の目の前で検証する形で聴取してたわけです。

特に引っかかったのは、化学品商材Cの調達先の国内工場が、財務状況悪化で閉鎖の危機にあるとのこと。これはチャンスか!?

そして、Cの調達先の多様化が喫緊の課題ではあったが、欧州の本社はその様な情報を把握していなかったことが判明。結果、冒頭の通り、Aさんは本社の協力を得て、新たな調達先を見つけ、契約を決めることが出来ました。

このエピソードから言える、総合商社の強み&現場の重要性に関するポイントは以下2点ですかね✌️

  1. フットワークが軽く好奇心を持ち、相手から警戒感を持たれない様なローカルスタッフの存在は総合商社の大きな強み
  2. 同じ組織の中であっても、本社と工場では、重要な情報であっても逐一情報共有がされているわけではない、ということ

ちなみに、商材Cは、世界中広く消費される汎用品ではありますが、B国はCの消費国/輸入国としてメジャーな国ではなく、本案件は、業界誌等に社名が記載される様なものではなかったわけですね🤔

2. ロシア・クリミア侵攻による原油調達の変化

さて、次は私自身の経験談ですね(仰々しいタイトルですね🐱💦)。これは2014年にとある石油製品の担当者として、欧州に出張した際のお話です。

面談先は、中欧・南欧の3ヶ国に製油所(*)を持つ、エネルギー企業群傘下のF社であり、私は製品購入希望者として同社と新規商売を創ることを目的とし、その時期に良く通ってました。

(*)製油所 = 原料(石油)からガソリン・ナフサ・軽油・灯油等の石油製品を製造する工場。🇯🇵だと、JXTGグループとか出光昭和シェルとかが日本各地に運営してますね

F社の対面のGさん(👨‍🦱)は、たまたま私と同い年であり、欧州サッカーファンということで懇意にしてもらってました。ウィーン等で国際会議がある際も、食事のアポを入れ、新規商売の話もそこそこに、彼の婚約を祝ったりしてました🎉

そんな日々を過ごす中、同年、ロシア-ウクライナ間の関係が急速に悪化する事件が起こりました。ロシアによるウクライナ南部(クリミア半島)の空港占拠事件です。ロシアが国際社会から孤立する様な雰囲気となったのです。

🐱「うぉ!こりゃ急激にロシアとEUの関係が悪化するぞ!!・・・あれ?ひょっとしたら、欧州に入る石油の流れも変わってくるかも!?」

ちょっと補足なのですが、欧州は自国の地域で石油を調達出来ない国がほとんどで、基本はロシア中東米国、そして北アフリカ等から輸入することで需要をまかなっています。

今後、どうなるか、仲良しのGに聞いてみよう!ということで、中欧出張の際に聴取試みました。すると、

👨‍🦱「機密事項なんだが、、そう、ロシア産原油の調達を減らすべく上は動いてるよ。」
🐱「そうなんだ。具体的にはどこから調達するの?」
👨‍🦱「地中海からの調達を増やす方針は決まったらしい。もちろん、言わないでね」

この話が何を意味するか?

実は、石油製品(ガソリン、灯油、軽油等)の成分は、原料となる石油(原油)の品質にかかわってくるのだ。特に、硫黄分等の不純物が多く含まれていると、製油所ではそれらを取り除く必要がある為、硫黄等の不純物の生産が急増する。

話を聞いてみると、以下の図(超大雑把ですみません💦B型です🐱💦)の通り、黒矢印の通り、ロシア産原油(=ウラル産。硫黄分高)のパイプラインでの調達を大幅削減し、北アフリカ産(硫黄分低)を海上輸送(赤矢印)することで一部の調達ルートを置き換えるという話だった。

したがい、硫黄の生産が減り、欧州の硫黄市場は需給がひっ迫するのではないか?という状況になり得る話でした。こういう情報は当然、Webや業界誌等には出てこない。出て来たとしても数ヶ月後の話となるでしょう。

いち早くキャッチした優位性を活かし、石油製品や硫黄を取り扱う部署に情報共有をした、という話でした。

このエピソードからも、以下の様に、総合商社の強み&現場の重要性に関して言えるポイントがあると思います⬇️

  1. 外交のカードとなりうる様な産業の、ど真ん中にいる巨大エネルギー企業とパイプを持っている/望めば持つことが出来る、というのは総合商社の大きな強み
  2. 普段より、公私にわたって色々話せる様な人間関係を構築しておけば、face to faceで機密事項を共有してくれることもあるということ

本件担当時はまだ若手社員の頃でしたが、世界が注目するニュースに関連して、エネルギー源の大きな流れが今まさに変わろうとしている状況を、自身が先立って知ったことに興奮を覚えたのを鮮明に記憶してますね🐱✨

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いかがでしたでしょうか❓いつものバカ話とは少し違い、ちょっとスケールの大きな話でしたね😏💦若手の内からこういう経験が積めるのも貴重だと思いません⁉️🐱

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最後に。

Twitterでほとんど反応ないんでブログでも言います。クリスマスソングで1番好きな曲は、広瀬香美の”DEAR…again”です。共感してくれる人いると思ってるんだけどなぁ・・・🐱😞

P.S.

以下、宣伝です🐱🙇‍♂️

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