【総合商社】猫でも分かる商社の事業投資解説!エクアドルでのバナナ生産事業①
どうも、ドチです🐱
当ブログでは、これまで何度か「総合商社の事業投資とは?」について説明する記事を書いてまいりました。
ただ、ありがたいことに、学生の読者の方から、
👧👦「ちょっと学生には理解しづらい部分が多々あります!物流業務よりもイメージが掴めません」
というご指摘を複数頂きました。本当にありがとうございます。
・・・ということで、今回から数回に分けて、それこそ就活生の頃の私自身(=真面目に猫レベル🐱💦)に向けて、スーパー分かりやすい内容になる様、具体例を挙げて解説していきます🎤
ですので、本記事は主に内定者&就活生、そして他業種の若手ビジネスマンの方々向けって感じです(若手商社マンには少し物足りないかもしれません)。
ただ、同業者の皆さんからも率直なご意見を頂けるととてつもなく嬉しいです🐱✨
それでは早速見ていきましょう🚀(記事の長さ:普通(2−3分程度🙇♂️))
※尚、本記事に出てくるイベント/数字は基本フィクションです🖐
目次
- エクアドル産高級バナナを日本市場に広めるチャンス到来!
- C社との投資スキーム協議
- 3-5割の生産量はどこに売る!?
1. エクアドル産高級バナナを日本市場に広めるチャンス到来!
主人公となるAさん(=👱♂️)は、B商事の食料本部青果事業部バナナ事業課に勤める、入社8年目の社員。これまでのキャリアは、入社後、一貫してバナナに関する商売に携わってきた。
入社後より、現在の所属の隣の物流課において、主にフィリピンや台湾といったアジア圏からの輸入をメインとする物流商売に携わり、4年目の途中で、本部の実務研修生として南米で1.5年間を過ごし、スペイン語と現場経験を身につけ帰国。
現在の課には、帰国してすぐ着任。2年前より、日々、事業投資案件を追いかけてきた。物流の経験もある為、世界のバナナマーケットには精通している・・つもりだ。
そんなある日、隣の物流課より以下の通り有益な情報を共有された。
- 長年、ウチとの取引関係である大手小売業者C社より、産地の多様化を図りたいとの要望あり
- 背景は、将来の新規顧客層と見込める高所得者層向けの高級品の取扱いを開始したいとのこと
- フィリピン/台湾等は、既にアジア圏(特に中国🇨🇳)の大手小売業者の競合がひしめいており、高級品種も奪い合いとなり更に暴騰するだろうと予想している
- ついては、それ以外の国/地域からの輸入を検討したい。品質が良いことが前提だが、フィリピン/台湾産に比べ、ある程度安く長期で買えそうなら、B商事と共に、現地で農園&パッキング工場へ投資をすることも検討したい。
とのことだ。
👱♂️(!!!ついに来た🔥実は、、C社のD課長さん(👴)は、物流担当時代の対面であり、南米での研修生時代に連絡を取り合っていた。今後、世界的に高級品を嗜好が高まることを予想し、各国のバナナ農園にも足繁く通い、レポートを課長さんに都度共有してたんだ!)
Aさんの熱意がDさんに伝播し、C社内で高級品を取り扱う雰囲気が醸成されていた様だ。
👱♂️(訪問した農園の中でも、とても美味しかったエクアドル産のバナナは絶対売れると思ってた!現状、比較的アジア圏でも取扱いが少ないし、俺がこの手で日本に広めるチャンスだ!!)
研修生時代の知見を活かしたプレゼンで社内を説得し、物流課のメンバーに同行しC社へ説明しに訪問。まずは数点のサンプルを輸入し、品質チェックした上で、本格的に両社で検討していく流れで合意した。よしっ!!
2. C社との投資スキーム協議
C社内でのサンプル評価結果は良好との報告を受け、まずは物流課が早速現地へ飛び、高級品を手がける地元バナナ農家、そして隣接するパッキング工場のオーナーと、年間購入契約の話をしてきた✈️
高級品を生産する現地の農園は3社と判明。全て見て周り、その内の2社との1年間の長期契約を締結した🤝
一方、東京では、かなり高級品販売に前のめりになってきたC社と打合せし、同社が、2-3年後の本格生産・出荷を目指したいとの要望を持っていることを確認した。
そこで、「農園でのプランテーション生産および新規パッキング工場設立」という投資案件を見すえ、NDA(*)を締結。C社、物流課に加え、フィリピンのバナナ事業を手がける当社の子会社で生産責任者を務める者にも加わってもらい、現地の3社の内、最も信頼の置けそうなE社へ、共同事業の提案を行なう方針を決めた。
(*)Non-Disclosure Agreementの略称。日本語で秘密保持契約。要するに、「これからこの投資案件に関する全ての情報は、2社間のだけの秘密ね!」ってことを規定する契約。お互い、他の商社や他の大手小売にバレたら、、妨害され得るし、株価にも影響を与え得る話になりかねないので、普通、こういうことします☝️
E社訪問に先立ち、日系の2社間での協議の結果、大筋、以下の方針で案件スキームを固めよう、という話になった。
- 現地の事業会社の出資比率は、E社51%、日系2社(=B商事・C社)が設立予定の現地子会社が49%とする。尚、エクアドルの国の会社法で、外資が過半数を握ることは不可。
- 全年間生産量の内、最低5割、最高7割はC社向けとし、状況を見ながらC社の希望に沿ってそのレンジ内で望む分購入出来る。C社買取価格は市況価格から一定額ディスカウント。
- 残りの3−5割は、B商事が購入。ただし、販売先は日本以外の市場という制限付き。
➡️つまり、C社のメリットは、日本国内での売れ行きに応じて、エクアドル産の購入量を調整出来る点である。また、B商事的には、全量、C社に販売するのではなく、既存の物流課の販売網を活かし、3-5割を自由に日本以外の市場に販売出来るという点が魅力的なスキームとなっている🍌
3. 3-5割の生産量はどこに売る!?
C社と決めた方針を、物流課に伝達。
2-3年後から出荷開始ということで、最低3割、最高5割のB商事購入分の高級品を、安定的に、かつ高く売れそうな顧客探しの開始だ‼️
物流課と一緒に協議⬇️
👦「基本的には、輸送中に品質が落ちること避けたいですし、在庫調整のしやすい、近場の市場が良いと思います。なので、ウチの得意先も数社いる米国西海岸のマーケットに大多数を販売すべきだと思うんですよね。」
👱♂️「そうだね。ただ、、米国は国内品とも競合するから、あまり高く売れないんだよな。。儲けを大きくするなら、例えば、大型船を手配してC社分の日本向けと一緒に積んで、運賃を安くして中国市場に売るといいんじゃないかな?」
👨「ふむ。1箇所ではなく、両国に分散して売っていこう。『販売先が偏るせいで、売れない』って自体が1番困るからな💦あと、人口もそこそこで富裕層が増えてきているメキシコにも売らないか?物流課としてもメキシコは新規マーケットだから、幅が広がる!」
👦「良いっすね(やった!?これは米州担当の俺が初メキシコ出張だ✨)」
👱♂️「では、それぞれの地域で何社か目星を付けて、2-3年後から出荷予定のエクアドル産高級品に興味ないか、確認していきましょうか。」
協議の結果、以下の通り、販売していくことになった。物流課がそれぞれ現地に飛び、興味を示した何社かをリストアップした。
さて、まずプロジェクトの製品の販売先の目処は立ちそうだ。
~To be continued~
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いかがでしたでしょうか❓繰り返し言いますが、フィクションではありますけどストーリー自体は結構リアルだと思いますよ!!もちろん、
🐱「あぁ・・ここはもうちょっと現実では苦労するトコだし、もっと詳細書きたい〜😂💦」
って思う部分はあるのですが、、長すぎてもね😏💦とにかく、「分かりやすさ」を最重視です。悪しからず🙇♂️💦
次回の続編は、「C社と一緒にエクアドルに出張し、案件評価を行なう話」になります。お楽しみに!!
ご質問等あれば、本ブログのお問い合わせフォーム、Peing匿名質問箱、TwitterのDM等でお知らせ頂けるとありがたいです‼️最近、本当にたくさんご連絡頂ける様になり、嬉しい限りです✨🙇♂️
最後に。
今夜の仮想通貨の相場が動きすぎてて寝られないかも・・・🐱😭嬉しい悲鳴😱
P.S.
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