【総合商社】国別ビジネスシリーズ①アメリカ編(1)概要編

仕事内容

どうも、ドチです🐱

今回からシリーズで、総合商社が各国で手がけるビジネスを数回にわたって説明します。各商社が昨今どういう事業をスタートしたかを①概要編で、その国の駐在員の一日を②業務編として、毎回2本立てでお伝えしていきます。

第一回は「アメリカ編🇺🇸で、本日は①概要編となります。

米国駐在、、それはかつて、間違いなくエリートが通る出世街道の途上にあるポストでした、、と、上司の世代から聞いています。もちろん、今もある程度各商社優秀な方が駐在しているのでしょうが、やはり特に昨今のビジネスシーンはアジアが主戦場になりつつありますし、昔程チヤホヤされることはなくなっています。

ただ、

商社入るならやっぱNY駐在してマンハッタンオフィサーになりたい!!🗽✨

なんて考えている内定者や商社希望の就活生の方は少なくないと思いますし、私も近い将来必ず西海岸に新規ビジネスを創って暮らしてやる🔥なんて情熱を持っています。

そんな方々へのご参考として、本記事では、各商社が米国で昨今どんな事業に注力しているか(直近3年間でプレスリリースした米国関連案件のまとめ)をご紹介していこうと思います。

それでは見ていきましょう🚀

見出し①伊藤忠商事

(1)ペンシルベニア州大型ガス火力発電所開発プロジェクト<電力・インフラ>

2020年5月、日本の関西電力と共に参画する米国ペンシルベニア州ヒッコリーラン発電所が商業運転を開始したと発表しています。北米最大の電力市場であるPJMを通じて電力供給を行なう予定とのことです。伊藤忠は、北米において、7,500MWを超える発電総容量を保有し、17ヶ所の発電所の運営・管理に携わってます。尚、2020年3月には、ミネソタ州・ネブラスカ州での風力発電事業への出資表明も行なっています。

(2)原料炭炭鉱への出資<資源・エネルギー>

2019年12月に、米国West Virginia州で開発中のLongview原料炭(*)炭鉱を100%保有するNCR社へ25%出資することを発表しています。2022年末からの本格生産開始に向け開発を進めており、総開発費用は約450百万米ドル(約495億円)を見込んでいます。同炭鉱の生産量は原料炭単一炭鉱としては米国最大級の年間4百万㌧を見込み、世界有数のコスト競争力を誇る、良質な原料炭を生産する予定とのことです。

(*)鉄鋼生産に必要な石炭のこと。詳しくは下記記事ご参照。

②住友商事

(1)西海岸硫酸ターミナル事業<化学品>

住友商事の100パーセント子会社であり、世界の硫酸海上貿易量の約3割を動かすインターアシッドグループを通じ、硫酸のターミナルを西海岸のストックトンで運営してます。硫酸は世界一生産・消費される化学品であり、劇薬物であるが故、取り扱いには深い知見と厳重な安全管理ノウハウが要求されますが、同グループは世界トップクラスの硫酸トレーダーであり、唯一タンクを自社運営しています。主には極東から調達する硫酸をストックトンターミナルで受け入れ、肥料メーカー等の西海岸の需要家に販売しています。良いなぁ、西海岸・・・🏖

(2)不動産投資事業<不動産>

1982年にNYCマンハッタンのオフィスビル取得をスタートに、ロサンゼルス、サンフランシスコ等の都市で約37年間にわたりオフィスビルの売買、保有・賃貸運営を行なっており、2000年代前半以降は、過去の運営事業で培ったノウハウを生かし、ビル共用部のリニューアルやテナントの入れ替えなどによるバリューアップを図る案件にも取り組んでます🏢

オフィスビル事業に続き、賃貸住宅事業、宅地造成事業に加え、2017年より私募ファンド事業(米国不動産投資への投資ニーズが強い国内機関投資家に対し、投資機会を提供。他社の資金を使って投資)を開始しています。

③丸紅

(1)米国航空機リース事業<モビリティ>

2020年3月に米国航空機リース会社Aircastle Limitedの持分追加取得完了を発表しています。日本のみずほリースとの共同取得で、同社の全株式を取得しました。丸紅は、航空機リース事業を金融・リース分野の中核ビジネスの一つとして位置付けており、今後も航空機リース事業を拡大していくことを表明しています。ただ、、プレスリリースはしたものの、コロナ禍に差し掛かる3月の発表となり、タイミング的には非常に微妙な時期でしたね。。。✈️💦

(2)アフターマーケット向け自動車部品販売事業<モビリティ>

2019年に、フロリダ州で同事業を展開するCA社の買収を発表しています。

CA社は、マイアミやオーランド、タンパといったフロリダ州の大都市圏を中心に合 計19拠点を保有しており、丸紅としてはCA社が保有する大型倉庫を獲得することでフロリダ州南部におけるロジスティックス網を強化し、顧客へのサービスレベル向上 を図ったとの説明をしています。ちなみに、「アフターマーケット」というのは、商品販売後に生じる各種のサービス需要に対する市場のこと(自動車業界用語)です🚗

④三井物産

(1)EV充電ステーションの運営・管理<モビリティ>

2019年、EVの充電ステーションの運営・管理プラットフォームに関わるサービスを展開するEV Connect社に出資参画を表明しました。同社は、EV充電ステーションの設置を計画する企業や自治体等を顧客とし、機器の調達・据え付けサービスおよび自社製ソフトウエアを提供しています。

米国でのEV新車販売台数の拡大(2018年 : 30万台超 →2040年 :約1100万台)による本サービスの需要増を見込み、低炭素化社会の実現に向けて取組みとしています。

(2)水素ステーション事業<モビリティ>

米国カリフォルニア州で水素ステーション開発・運営を手掛ける最大手のFirst Element Fuel社と水素ステーションの開発・整備や他地域への展開、水素インフラの充実を目指し協業を開始しています。2019年4月時点で、同社はカリフォルニア州を中心に31カ所の水素ステーション開発を進めており、既に19カ所開業しています。カリフォルニア州は独自の環境政策で温暖化ガス排出の大幅削減を目指しており、特に排出量の多い輸送領域での削減施策として、2030年までに500万台のゼロエミッション自動車導入を目標に掲げています。

⑤三菱商事

(1)米国キャメロンLNGプロジェクト<資源・エネルギー>

メキシコ湾岸沿いのルイジアナ州でLNG(液化天然ガス)を生産するプロジェクトです。2020年8月にLNG生産設備の第3系列目の商業生産を開始しました。これにより年間生産量1,200万トンのLNG生産設備が完成したばかりです。本プロジェクトへは、日本郵船と共同での出資(2社で全体の16.6%の株式を保有)であり、日本勢では三井物産も出資参画(単独で16.6%を保有)しています。

(2)米国ケンタッキー州の食肉加工品会社買収<食品・食料>

2018年に、ケンタッキー州のSFG社(ハム・ソーセージを中心とした食肉加工品の製造販売事業を米国内で展開)を買収し、100%傘下に収めています。元々、子会社としていたIPC社(単一の豚肉処理工場として米国最大級の規模を有し、肥育豚のと畜・処理事業、配合飼料製造事業、養豚事業及び食肉加工品事業を行なう)とのシナジーを追求したものです。

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いかがでしたでしょうか❓

次回は、アメリカ駐在員が、具体的にどういうスケジュールで仕事しているのか、にフォーカスしてお話します(フィクションとは言え、”社員の1日”系の記事の方が圧倒的にPV数が伸びるんですよね笑。やはり皆さん、そっちの方がご関心ある様で✨)。

何か質問がある方はお問い合わせフォームor Twitter🐦よりご連絡を❗️

最後に。

東京も少しずつ涼しくなってきましたね🐱