ヘルスケアビジネス①概論編

仕事内容

どうも、ドチです🐱

シリーズで解説する、総合商社の手がける代表的なビジネス紹介記事です。

今回は、第六回「ヘルスケアビジネス」の①概論編について説明します✨

各商社はヘルスケア分野でどんな取組みをしてるの??🏢
三井物産がアジア最大級の病院グループIHHに投資って過去話題になったけど、商社が病院事業で何をするの!?🏥
将来の業界の見通しは?

本日はそんな疑問に答えるべく、商社のヘルスケアビジネスについてなるべく分かりやすく解説します。

目次

  1. 各商社の主な取組み
  2. 三井物産の病院グループIHHへの投資について
  3. 将来の業界の動きは?

1. 各商社の主な取組み

①伊藤忠商事

2018年9月に、インドネシア🇮🇩の大手財閥であるLippoグループと共同で、アジア市場(主に忠国、ミャンマー、ベトナム、タイ等)における医療・健康関連ビジネスを展開することをプレスリリースしています。

具体的には、シンガポール証券取引所で上場するLippoヘルスケア社(以下、L社)への出資参画を通じ、病院不動産等のREIT(*)等へ投資してます。

(*)投資家から資金を集めて複数の不動産に投資し、賃貸収入や不動産の売却利益が配当金として投資家に還元される金融商品。

②住友商事

2019年4月に、マレーシア🇲🇾での「マネージドケア事業」への参入をプレスリリースしてます。

マネージドケア事業というのは(私も調べるまで聞いたことありませんでした💦)、企業や保険会社向けに、企業の従業員や被保険者が医療機関で受診した際の医療費の支払い・請求代行を行なうことです。

病院経営とは異なり、病院と企業・保険会社を効率的に繋ぐ部分をビジネスチャンスと捉え、マレーシアで業界最大シェアをもつ2社を子会社化したとのことです💰

また、2020年7月には超高齢化社会を迎える日本での、介護人材定着支援サービスの実証実験を開始すると発表してます。社内企業制度から生まれた取組みとのことです。

③丸紅

2020年7月に、日本で医療機関向けにAI診断支援サービスを行なう事業会社を設立したとプレスリリースしています。デジタルヘルス(= AI x ヘルスケア)分野ですね。

その他、フィリピン🇵🇭やインドネシア🇮🇩といった東南アジアで、医療機関と組んだ検査サービスの提供も行なっています。

④三井物産

IHHグループ事業にフォーカスして詳細は後述する為、省略します。

⑤三菱商事

2017年3月、ミャンマーでの病院事業第一号案件に着手することプレスリリースしました。現地企業らとの合弁で出資比率は30%し、病院運営を行なうとのこと。2020年にはヤンゴンで300床規模の病院を完工予定とのことでしたが、コロナ禍で少し遅れるんでしょうかね。。

また、子会社のエム・シー・メディカルを通じ、先端医療機器の輸入販売等を行ない日本の病院の経営支援も行なっている様です🏥

2. 三井物産の病院グループIHHへの投資について

具体的には?

IHHヘルスケアはマレーシアおよびシンガポールの証券取引所で上場する民間病院事業者であり、2020年8月現在で時価総額は約1.2兆円程度にもなる世界でも有数の企業です。シンガポール🇸🇬、マレーシア🇲🇾、トルコ🇹🇷等を中心にインド🇮🇳、中国🇨🇳、欧州でも事業を展開する。

三井物産は2011年に924億円を出資し参画、その後2019年に約2,300億円もの追加出資を行ない、現在は同社の株の32.9%を保有する筆頭株主となっています。

日本人には馴染みがないとは思いますが、”Parkway”や”Mount Elizabeth”といった病院ブランドは事業展開する各国では非常に知名度が高いです✨

Parkway Mount Elizabeth hosiptal@Singapore
ウェブサイト”Medetourism.com”より引用

狙いは?

ズバリ、中国・インドを中心とした医療需要への商機拡大を目指しています。両国とも経済発展や、(特に中国での)高齢化が進む中、高度医療の需要が伸びることが確実視されており、この部分へアプローチするには、IHHヘルスケアというツールを利用することが手っ取り早かった訳ですね💨

事実、三井物産は、2019年6月には中国の華潤集団等とヘルスケア分野を対象とした1,000億円規模のファンドを設立しており、病院事業以外でも中国でのヘルスケア需要を狙って投資を進めています💰

病院経営での商社の役割って何!?

日本の病院の院長は医者が担うことが多いですが、海外では経営と医療作業(診断・施術)が役割分担されていることが一般的です💉そういった経営の部分にヒトを送りこみ効率的な病院運営に寄与することが主な役割です。

また、IHHグループ傘下の病院へ、日本の高度な医療技術を紹介・導入することで本社の事業(日本の医療機器輸出販売等)との相乗効果が期待されます✨

3. 将来の業界の見通しは?

前述しましたが、やはり中国🇨🇳を中心とした医療需要が爆発的に伸びている中、早くから色々と手を打って、データや経営の知見を溜めていくことは大きな強みになると思われますので、この点では三井物産が先行していると言えそうですね(まあ、3,000億円以上!と大胆な額を突っ込んじゃってますが、これくらい張っていかないとダメだろうと個人的に思います🔥💰🔥)。

ちなみに、その中国では、2016年に政府(国務院)が「健康中国2030」という、生活習慣病の予防等のヘルスか分野での初の中長期計画を策定し、2030年までに国民の健康水準を引き上げるべく、予防医療の充実を掲げています。

https://reports.btmuc.com/File/pdf_file/info001/info001_20161110_001.pdf

また、別記事でも書いてますが、今年3月頃から本格化した新型コロナウィルス流行が、IT分野だけでなくヘルスケア分野の企業の株価を後押ししていることが顕著になっており、ますます医療分野への資金流入は増えていくこととなるでしょうね👇

いかがでしたでしょうか❓

次回は、ヘルスケアビジネスに携わる社員が、具体的にどういうスケジュールでどういう仕事をしているのかにフォーカスしてお話します。

何か質問がある方はお問い合わせフォームor Twitter🐦よりご連絡を❗️

最後に。

東京は久しぶり(梅雨明け以来?)の大雨ですね☔️🐱