【総合商社】24年3月期上半期決算分析分析①三井物産
どうも、ドチです🐱
今週は投資家の読者さん向けウィークです✨🤵♂️✨
今回から5回にわたって、5大商社各社の上半期決算分析記事をシリーズでお送りしていきます✏️
前期、三菱商事と三井物産は総合商社初の純利益1兆円を達成し、もうワタシが入社した時代とは商社の稼ぐ力もケタ違いになりました💰💦
今期も半分がすぎたわけですが、上半期決算というのは前半戦の成績表みたいなものですね👍
Web検索でのアクセスも順調に増え、ある程度信頼性の高いメディアになってきた当ブログで、いち早く分析しちゃおうって話です🔍👁
ちなみに、5大商社の発表スケジュールは以下のとおり⬇️
10/31(火) 14:00 三井物産 11/2(木) 11:00 丸紅 11/2(木) 13:00 三菱商事 11/2(木) 14:00 住友商事 11/6(月) 13:00 伊藤忠商事
ということで、1発目は三井物産ですね🏢
通期の純利益予想は8,800億円で、4-6月の第一四半期では2,529億円(進捗率29%)と順調なスタートを切ってましたね💰
果たして上半期はどうだったか⁉️
本記事ではそんな三井物産の決算資料の内容と見どころを解説していきます✏️
これを読めば、
・学生さん→三井物産がどんな事業・人材マネジメントをする会社かなんとなくわかる
・新人/若手同業者さん→どういう視点で決算分析すればよいかなんとなくわかる
・投資家さん→三井物産の株を保有し続けることが有益かどうかなんとなくわかる
と思います(信じてます🙏)。
それでは早速見ていきましょう🚀(記事の長さ:少し長め🙇💦(4分程度))
※なお、本記事で引用されている情報は、断りがない限り全て同社のHP上に記載のものです👍
目次
- 上半期決算主要数字まとめ💹
- 中期経営計画内容📃
- 注目すべき点🔍👁✨
1. 上半期決算主要数字まとめ💹
さて、まずは同社の決算内容サマリーを見てみましょうか。
なるほど🤔
このサマリーの解説をカンタンにすると、
- 23年4-9月累計純利益が4,563億円(←計画を+600億円上方修正‼️)
- (同社としてこだわりのある重要業績評価指数(=KPI)である)基礎営業CFも4,751億円で、こちらも通期見通しを+900億円として予想は9,600億円に💰
- +20円の増配💴(←投資家さん、やったね✨万歳🙌)
って感じですかね。ちゃんと上方修正しちゃって順調順調〜✨
まず、投資家さんにとってはなかなか満足の内容になったのではないでしょうかね😌
自社株買いも決定し、中期的には株価上昇も期待できるっていう📈✨
ちなみに、毎度、三井物産の決算の解説記事でおさらいしてるのですが、
同社は基礎営業キャッシュフローを長らくKPIにかかげてます。
何を意味するかについての解説が載ってる過去記事を紹介しておきますね(特に、業界の現役社員さんは知っておいた方がいいです🖐)
さて、話を純利益に戻します。
先ほどもふれたように、上半期を終えて、元々計画していた8,800億円→9,400億円に上方修正した物産ですが、
その変化の内訳をよ〜く見てみると、、🔍👁
いろいろと書いてあるのですが、為替の部分に「為替合計+640億円」とあります🖐
つまり‼️
「予想以上の円安の影響で、外貨の利益が円換算にしてふくらむ分の600億円がそのまま上方修正分として乗っかった🏄💦」
という見方も、、まあできるわけですね😄💦
この為替要因による上方修正は、今後公表される他商社の決算にもある程度反映されることになるでしょう☝️
2. 中期経営計画内容📃
さて、三井物産は、今期、新たな中期経営計画(中計)を5月に発表してるんでしたね☝️
ということで、今回の上半期の決算では「順調なスタートが切れたかどうか」という視点で見ていく必要があります👁
本記事では、早速その視点で、重要と思われる数ページにフォーカスしていきます。
まずはこちらのページをご覧ください👇
上記は、物産の「向こう3年間のキャッシュの収支計画」を意味するキャッシュ・フロー・アロケーションです。
超カンタンにいうと、向こう3年間で、
=in=
- 本業の営業活動でキャッシュ2.75兆円稼ぎます(≒基礎営業CF)💪💰
- 事業売ってキャッシュ0.87兆円稼ぎます(≒資産リサイクル)💪💰
=out=
- 今頑張ってる事業の維持に0.57兆円キャッシュ使います💪💸
- 今後さらに儲かる事業のタネまき(とりあえずやるって決めたもの)にキャッシュ1.17兆円使います💪💸
- 株主様へ配当したり、株価を上げる努力に0.75兆円使います💪💸
- あとは新規投資だったり、さらなる株主様への還元で1.13兆円使います💪💸
って話。
で、実際、最初半年でどんなスタートだったかというと、、
コレ、3年間の最初半年の成績(=2024年3月期上半期実績にある数字)としては、
かなり順調といえるのではないでしょうか⁉️
さて、キャッシュの話は一旦おいといて🖐
ちょっとここで前回の中計(2021-2023年)の話をします。
三井物産は、当時、「事業経営力強化」というスライドを1番最初の戦略として挙げていました。
「人の三井」と長年言われるほど人材に懸けてる会社だけあって、やはりそのページを見て気になったのは、
- 多様な「プロ人材」の投入
- 育成と社外からの登用
という記述があったんですね☝️
今回、これを今まで以上にグローバルに展開するような表現が見られます。
相変わらず、「強い『個』の育成」などの物産らしいkey wordはありますが、
🏢「東京本社のスタッフにかぎらず、世界中の社員に専門性を持たせ適材適所を地球規模で進めます🌏」
というメッセージかなぁと。
また、これとあわせて、以下のスライドも気になりました👇
同社は事業本部制をとっておりますが、本部や地域では完結しないビジネスチャンスを、
アメーバ的に組織を超えた連携をとっていくということでしょう。
このあたりから、これまで基本的には部門・本部の背番号が変わらない、というのが商社パーソンの人生、って固定観念がありましたが、
それが今後崩れていく傾向にあることを示唆しているのかなと。
5大商社の中でも、部門間を越えた異動が多いと言われる三井物産の、今後の新規事業に期待ですね✨
3. 注目すべき点🔍👁
さて、いろいろと書いてきましたが、最後の章ではワタシなりに注目した点をご紹介していきましょうか🐱
当ブログの独自の分析もありまっせ👓✨
①資源・非資源比率の進化‼️
実は今回の三井物産の決算の内容で私が1番注目すべきと感じるのはこのスライドですね〜👇
👦「・・・なに?」
毎度毎度決算が発表されるたびに、「資源商社」とやゆされる三井物産の、セグメント別の利益に変化が・・!!
「三井物産 = 鉄鉱石事業」
と言われるほど、同社は金属資源本部が圧倒的な稼ぎ頭であるのですが、、なんと、機械・インフラが折り返し地点でトップに立っています⚙
これがいかにすごいことか、をちょっと独自にまとめてみたのがこちらです👇
これまで60% : 40% / 70% : 30%の比率で資源が多く稼いでたのに、、(上半期といえど、)ついに物産の資源・非資源比率が逆転してるじゃないですか⚡️
物産マニア👤「いや、よく決算書類見てごらんよ。機械・インフラの鉄道事業売却による一過性の利益の約500億円と、生活産業の子会社の評価益約450億円、っていう特殊要因により、非資源が+1,000億円も大きく見えてるわけで🤷♂️」
たしかに、こういう声もあるでしょう。
ただ、これまでも稼ぎ頭の金属資源で、600-700億円単位の減損を出した21年3月期でも資源 : 非資源比率は62% : 38%とかですからね🖐
これからの下半期、中東を中心とした世界情勢不安でエネルギー価格は上がるであろうことを考えれば、
たしかにエネルギーの利益も戻ってくることでしょう☝️
ただ、上半期だけの成績にしても、この9,000億円を目指す高いレベルでの利益のポートフォリオの多様化は確実に評価に値するでしょう✨
②再エネ電源比率向上
さて、これも注目すべき点です👇
よ〜く見ていただきたいのは1番下の23年9月末の行の、緑の部分の28%っていう数字🔍
これ、前回の23年8月発表の第一四半期決算ではまだ23%でした。昨年、同社は、
🏢「30年までに30%を目指す!」
とアナウンスしてました。
三菱商事♦️が(前期末の時点で)40%超と大きくリードしていることはおいといて、
かなりこの数字を伸ばしてきており、脱化石燃料の動きを加速しています💨
この観点でも、やはりやることやってんな〜物産は、と思わざるを得ません👍
ーーーーーー
いかがでしたでしょうか❓
総合的に見て、三井物産は10点満点中で点数つけるとしたら7-8点は取ってきた印象ですね〜✨
大きなサプライズはなくも、きわめて高いレベルで順調な経営をおこなってると言えるでしょう☝️
安定してるわ〜ってのが、現役の業界社員の見方です👀
さて、、
次回は、、、
1番注目を集める♦️三菱商事♦️の分析記事をお送りする予定です👍
引き続き投資家のみなさん、同業者の現役社員のみなさん、そして総合商社への転職を考える社会人のみなさん、
今週は当ブログから目が離せませんね✨
よろしければご愛読よろしくです🙇
ご要望やご質問、その他お問合せ事項などあれば、お気軽に本ブログのお問い合わせフォームか、
もしくはX(旧Twitter)へDM下さい🖐お待ちしてま〜す。